「5G」をめぐる米中戦争 ファーウェイ排除とソフトバンクが抱えるリスク:マネーの達人(6/6 ページ)
米国を中心に、中国通信機器大手ファーウェイの製品を排除する動きが広がっています。米中貿易戦争の本質は「5G」時代のIT覇権争いです。ファーウェイの通信網を使うソフトバンクのリスクも浮き彫りになっており、日本企業も方針転換が迫られるでしょう。
ソフトバンクつぶしなのか……。米国は、国内加入者数第4位の携帯電話事業者スプリント買収から、ソフトバンクを快く思っていないとのうわさもあります。
サウジアラビアと一緒に始めた「ビジョン・ファンド」においても、ムハンマド皇太子の記者殺害疑惑があったところです。順調に事業拡大してきた孫正義氏に、まさに逆風が吹いている感じで、これらは全て偶然なのかと疑いたくなりますね。
さらにソフトバンクは10月に、「モビリティAI革命」の名の下、トヨタ自動車と共同出資の会社「MONET Technologies(モネ テクノロジーズ)」を立ち上げることを発表しています。
自動運転に「5G」の通信網は不可欠です。トヨタとの関係に影響はないのでしょうか。
ソフトバンクのこれからがすごく心配になりますね。
ファーウェイと取引する日本企業はどうなる?
ファーウェイやZTEと取引している日本企業はどうなるでしょう。株価下落は免れないでしょうし、米国との取引にも影響が出てきますので、方針転換が迫られるでしょう。中国が「メイド・イン・チャイナ2025」の旗を降ろさない限り、米国によるこういった攻撃はやむことはなさそうです。
孟晩舟CFOの身柄がカナダから米国に引き渡されたら、何らかの司法取引が行われ、徹底的に中国企業への圧力が増すことも考えられます。
習近平氏が国内で何処まで耐えられるのかもあり、中国事情にも目を光らせたほうがよさそうですね。
やはり経済力が全てです。圧倒的な経済力を前に、米国と対抗するのは、並大抵のことではないですね。これからの中国の出方を見てみましょう。
この問題は、まだまだ続きそうな感じがします。(原彰宏)
著者プロフィール:
原彰宏
株式会社アイウイッシュ 代表取締役
関西学院大学卒業。大阪府生。吉富製薬株式会社(現田辺三菱製薬株式会社)、JTB日本交通公社(現株式会社JTB)を経て独立。独学でCFP取得。現在独立系FPと して活動。異業種経験から、総合的に経済、企業をウォッチ、金融出身でないことを武器に「平易で」「わかりやすい」言葉で解説、をモットーにラジオ出演、 セミナーや相談業務、企業労組の顧問としての年金制度相談、組合員個別相談、個人の年金運用アドバイスなどを実施。個人投資家として、株式投資やFX投資を行っている。
<保有資格> 一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP
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