2015年7月27日以前の記事
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東急・相鉄「新横浜線」 新路線のネーミングが素晴らしい理由杉山淳一の「週刊鉄道経済」(4/5 ページ)

東急電鉄と相模鉄道は、新路線の名称を「東急新横浜線」「相鉄新横浜線」と発表した。JR山手線の新駅名「高輪ゲートウェイ」を巡って議論が白熱する中で、この名称は直球で分かりやすい。駅名や路線名は「便利に使ってもらう」ことが最も大切だ。

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 「新横浜線」だけではなく、互いの会社名を冠した。これが秀逸な要素の2つ目。これは境界を分かりやすくするためだけではない。神奈川県外から東海道新幹線で新横浜駅まで来た人に、適切な経路を示す効果がある。横浜へ行くならJR横浜線に乗ればいい。相鉄沿線に行くなら相鉄新横浜線、東急沿線に行くなら東急新横浜線に乗ればいい。

 課題があるとすれば、東急東横線・目黒線から先の地下鉄直通方面をどう案内するかだ。しかし、いったん東急新横浜線に乗れば、あとは乗り換え案内アプリが何とかしてくれるだろう。主な直通先はどこになるか。ダイヤも未定だから、これは頑張ってほしい。

 東急新横浜線は、東横線直通なら東京メトロ副都心線、東武東上線、西武池袋線の路線図に記載されるはずだ。目黒線直通なら東京メトロ南北線、都営地下鉄三田線、埼玉高速鉄道の路線図に記載されるだろう。これらの路線は全て、乗り換えなしで東海道新幹線の駅まで行けることになる。これは沿線の不動産価値を上げる好材料だ。JR東海と組んだプロモーションが行われるかもしれない。あるいは、新横浜始発の列車を増やすなどの対応もあるかもしれない。

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青線が「相鉄新横浜線」、赤線が「東急新横浜線」。相模鉄道の新区間先行開通は2019年で、いずみ野線全通から20年ぶり。東急電鉄の新区間開通は1984年の田園都市線中央林間延伸から38年ぶり

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