恵方巻の廃棄率は? イオンの担当者に聞いてみた:驚きの結果(2/3 ページ)
コンビニやスーパーで恵方巻商戦が本格化している。イオンリテールでは恵方巻の販売量が右肩上がりで増えている。近年、食品ロスの観点から批判されている恵方巻の廃棄率はどのくらいなのだろうか。
恵方巻の廃棄率はどのくらい?
お客の購買行動に、もう1つの変化が起きている。それは、予約して購入するお客が増えたことだ。この5年で予約販売数は2.4倍に増えたという。背景にあるのは、予約限定の商品が増えたことや、2月2日と3日に店舗が混雑するため確実に購入したいと考えるお客が増えたことがあると同社では分析している。
このように年々販売量が増える中で気になるのは恵方巻の廃棄率だ。毎年、恵方巻やウナギが大量に売れ残ることに対して、批判の声が上がっているが、イオンリテールではどのような対策をとっているのだろうか。
鈴木氏によると「廃棄率は他の惣菜とほとんど同じ」という。同社では過去10年間の販売データを蓄積しており、過剰に生産しないようにしている。また、予約販売数と店舗での販売数には密接な関係があり、ある程度店舗ごとの需要を読むことができる。ちなみに、日本スーパーマーケット協会などが17年に公表した「スーパーマーケット年次統計調査 報告書」によれば、国内のスーパーにおける商品カテゴリー別平均ロス率の中央値は、惣菜が10.4%となっている。
廃棄率の低減に最も効果を発揮しているのは店内製造をしていることだという。例えば、2月2日と3日に突然雪が降ったりして、客足が鈍くなると予想される場合には、当日の生産量を減らすといった工夫をしている。
利益率の観点から、食品廃棄をなくしたいというのはどの小売店にとっても共通の願いだ。イオンリテールでは、過去の販売データの蓄積や店内製造によって、廃棄率を下げる工夫をしていたのである。
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