沖縄企業の利益ランキング 1位は4年連続であの会社:初の100億円台に
東京商工リサーチが2017年度の沖縄県内企業利益ランキングを発表。対象となる当期純利益2000万円以上の企業は、前年度から10.3%増の995社となり、9年連続で最多を更新した。
東京商工リサーチ沖縄支店は1月3日までに、2017年度の県内企業利益ランキングを発表した。対象となる当期純利益2000万円以上の企業は、前年度から10.3%増の995社となり、9年連続で最多を更新した。
利益総額は16.0%増の1531億7334万6000円で、4年連続で過去最高を更新。調査を始めた08年度と比べ、対象企業数は2.2倍、利益総額は2.5倍に増えた。
1社当たりの平均利益額は5.1%増の1億5394万3000円。ランキングではサンエーが4年連続で1位となり、利益はランキング史上初めて100億円台に達した。前年度よりも増収となってランクインした企業は9社増の647社で、全体の65.0%。同支店は「11年度以降、対象企業数、利益総額とも伸びが顕著で、県経済は相変わらず好調」と分析している。
トップのサンエーは、主力の食料品に加え、住居関連や外食の売り上げも伸びた。さらに売上高総利益率の上昇で収益力が高まり、過去最高の純利益を更新した。2位は3年連続で沖縄セルラー。スマートフォンなどの契約数を伸ばし、経常利益、純利益とも過去最高だった。3位の琉球銀行は、子会社のリース業の売り上げだけでなく、手数料収入の増加や与信コストの大幅な減少から過去最高益となり、初めてトップ3に入った。
4位は前年度に引き続き日本トランスオーシャン航空。新機材の導入により、減価償却費が増えたものの整備費を抑え、増益となった。5位は沖縄銀行で、貸出金の利息収入が増えたことに加え、与信コストが減少した。6位は前年度と同じく沖縄電力で、石油や石炭などの燃料費が高騰した一方、発電所の減価償却費が減少した。
7位は沖縄徳洲会で、3年ぶりのランクイン。高齢化社会の需要を取り込み、売り上げを伸ばした。8位は前年度に引き続き那覇空港ビルディングで、テナントの家賃収入などが増えた。9位はオリオンビール。賃貸不動産の修繕費がかさむなどして減収となり、順位を前年度より2つ落とした。10位は沖縄県農協。
上位10社の利益総額は562億1560万円で、全体の36.7%を占めた。
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