なぜLGBT後進国ではダメなのか 「国つぶれる」発言を覆す“伝説のスピーチ”:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(3/5 ページ)
「同性婚が認められないのは違憲」として、10組の同性カップルが集団訴訟を起こす。先日、平沢勝栄議員が「国がつぶれる」と発言したことからも分かるように、日本は「LGBT後進国」。“自分と違う人”を尊重できる社会になるのか。そのヒントとなる「伝説のスピーチ」とは……
日本は「LGBT後進国」
海外では、現在20カ国以上が同性婚を認めており、同性カップルの権利を保障する国レベルの法制度がないのは、先進7カ国で日本だけ。アジアでは台湾で、19年5月までに同性カップルも婚姻が可能となることが確定しています。
とはいえ、そういった国々でも同性婚が社会に完全に受け入れられているかというと、必ずしもそうではありません。
例えば、台湾では18年11月に同性婚をめぐる国民投票が行われ、反対派が圧倒的多数で、賛成派を上回りました。かといって国民投票の結果が、「同性婚ができるようになる」という決定事項を変えることにはなりえませんが、民法の改正ではなく、新しい法律を作ることに限定されることとなりました。あくまで婚姻は男女間のもので、同性間の婚姻は別物として扱われる可能性が出てきてしまったのです。
自分と違う価値観を持つ人を受け入れることは、難しいかもしれない。それでもなんとかして、全ての人が幸せになれる可能性を求め、「同性カップルの権利」を尊重しようと世界は動いている。一方、日本ではLGBTという言葉こそ市民権を得ましたが、「選択的夫婦別姓」でさえ、「家族の一体感が薄れる。バラバラになる」「子どもがかわいそう」などと反対意見が絶えません。完全なる「LGBT後進国」です。
そういった意味でも、今回の訴訟を法の番人がいかに判断するか。今後の裁判の行方に注目したいと思います。
それと同時に、この裁判の行方をメディアがどれくらいの関心度で、どのように伝えるか? それを“私たち”がどう受け止めるか? ということは極めて重要です。
そこでぜひとも知っておいてほしい、伝説のスピーチの一部を紹介します。
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