トランスジェンダーの3割「トイレに入る際の視線でストレス」:TOTOがLGBT向けに調査(2/2 ページ)
TOTOの調査でトランスジェンダーの3割がトイレに入る際の周囲の視線でストレスを感じていると明らかに。多くが中学生までにトイレに違和感を持っていた。
4割がトイレへの違和感「中学生までに持っていた」
「体の性で割り当てられたトイレの利用に、いつ頃から違和感があったか」という質問に対しては、トランスジェンダーの人の43.1%が「中学生までに違和感あり」と回答した。主にトランスジェンダーでない人用に作られている日本のトイレに、かなり幼い頃から違和感があったことが明らかになった。
TOTOは、自社で普及を推進している、性別と関係なく利用できる広めの個室トイレについても質問した。トランスジェンダーの人の72.1%が「利用意向あり」と回答しており、シスジェンダーの人の53.9%を上回った。
同社の担当者は「(駅などで普及している広い)多機能トイレは、車いす利用者やベビーカーを押している人が優先的に使うと認知されていて、トランスジェンダーの人が利用する場合に心理的抵抗もあるとみられる。性的マイノリティーの人に加えて、高齢の夫婦など男女同士が介護しているケースで男女共用のトイレは有効」と説明する。
また、一部で進んでいる、性別を問わず使えるトイレに虹色のサインを提示する試みについては、トランスジェンダーの人の60.4%が賛成した一方で29.1%が不賛成と回答した。性的志向別にみると、同性愛の人の53.9%が賛成したものの31.7%が不賛成となり、当事者の間では賛否両論な実態が浮かび上がった。
当事者からは「自分の性について、バレるのではないかと思ってしまう。不安・違和感・差別感がある」(トランスジェンダーの40代)といった回答も挙がった。実際、大阪市ではトイレにレインボーマークを表示する取り組みを、一部の当事者からの声を受けて18年に取りやめている。
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