クイーン「ボヘミアン・ラプソディ」に見る良きリーダーシップとフォロワーシップ:大ヒット映画から学ぶ(1/3 ページ)
大ヒットとなった映画「ボヘミアン・ラプソディ」。今回はこの映画に描かれた人間模様を題材に、リーダーシップとフォロワーシップについて考えてみます。
2018年の終盤を飾るヒット映画となったのが、英国のロックバンドであるクイーン、そしてその中でもボーカルのフレディ・マーキュリーの人生に焦点を当てた「ボヘミアン・ラプソディ」です。
「Bohemian Rhapsody(ボヘミアン・ラプソディ)」はクイーンの最高の名曲であるとともに、「人を殺したんだ」という衝撃的な歌詞が、マーキュリーが偽りの自分(異性愛者として振る舞う自分)を殺したという暗喩になっているのではと指摘されています。リピーター続出と報道されている本映画ですが、筆者もすでに2回観に行きました。
ヒットの原因は、元々日本でも人気のあったクイーンと悲劇のヒーロー、マーキュリーを取り上げたことに加え、劇中音楽の良さ(音源のかなりの部分はオリジナルのクイーンのもの)、メインキャストのそっくりぶり(特にブライアン・メイは本人といってもだまされそうです)、最後のライブエイドへと向かっていくシナリオの良さなど複数挙げられます。
それらが筆者のようなクイーン世代や、どこかでクイーンの曲――ドラマやCMで使われた「I Was Born To Love You」、スポーツの試合でよく流れる「We Are the Champions」「We Will Rock You」など――に触れたことがあるライトファンや若い音楽ファンに受けたからでしょう。
今回は、この映画に描かれた人間模様を題材に、リーダーシップとフォロワーシップについて考えてみます(多少、映画と史実は異なる部分もあるようですが、そこは捨象して考えます。また筆者の個人的な知識も少し加味しています)。皆がリーダーシップを発揮することもあれば、別の場面では良きフォロワーになるという、現代の効果的なチーム論につながるシーンが各所に見られたからです。
なお、念のために書いておくと、ボーカルとピアノを主に担当するのがフレディ・マーキュリー、ギタリストがブライアン・メイ、ベーシストがジョン・ディーコン、そしてドラマーがロジャー・テイラーです。
※以下、一部ネタばれを含みます。
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