メルカリが宇宙分野に参入する理由:宇宙ビジネスの新潮流(2/3 ページ)
フリマアプリを運営するメルカリの名を知らない人は少ないだろうが、同社の研究開発部門が宇宙分野で取り組みを進めていることはご存じだろうか? この宇宙プロジェクトをリードする大堂さんに話を聞いた。
衛星データによる社会課題解決
私自身は大学時代、熱流体力学や混相流の数値解析を専門にしていたため、宇宙とはあまり接点がありませんでした。きっかけは2013年9月、宇宙航空研究開発機構(JAXA)によるイプシロンロケット試験機の打ち上げニュースをたまたま見たことです。当時はまったく予備知識がなく、ロケットは衛星を打ち上げるためのものだと初めて知りました(笑)。
その後、準天頂衛星「みちびき」の打ち上げニュースを見て、衛星に興味を持つようになり、衛星で何かできないかを個人的に考えはじめました。JAXAが当時応募していた宇宙ビジネスコンテストに個人で申し込んだこともありますし、以前の職場では観測衛星のデータを活用して太陽光発電量の予測モデルを構築するプロジェクトを推進していました。
また、個人的な思いとして、どこの国でも必要となる社会課題の解決に着目して、人と地球にとって持続可能な環境を作っていきたいと思っています。そうしたこれまでの経緯や背景もあり、宇宙ビジネスの中でも特に衛星データを農業、環境、防災、物流など幅広い分野で利活用していくことに可能性を感じています。
昨今は衛星データ解析にAIや機械学習を活用する期待も高まっています。メルカリでは数十億規模の画像やテキスト解析を行ってきており、コンピュータービジョン(画像解析)、ML(機械学習)、AIに関連保有する技術を多数有しています。そうした観点からも親和性が極めて高いと感じています。
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