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幸楽苑がAIを本格活用へ 何をどう役立てるのか:キャッシュレスも推進(2/2 ページ)
異物混入事件で業績が低迷していた幸楽苑HDが、矢継ぎ早に改革を打ち出し、客足が戻りつつある。1月28日の記者会見で新たにAIを活用すると発表したが、どのような戦略なのだろうか。
異物混入事件のダメージ
16年9月、幸楽苑の静岡清水インター店で起きたラーメンへの異物混入事件をきっかけに、同社のブランドは大きく損なわれた。幸楽苑HDの17年3月期決算では、売上高は前期比1.0%減の378億円、営業利益に至っては83.1%減の1億4700万円にまで落ち込んだ。
その後、同社は18年4月から「味の改革」「マーケティング手法の抜本的転換」「保有資産の活用と店舗ポートフォリオの最適化」「筋肉質な経営」の4本柱を改革案として打ち出している。
また、直近では、ラーメン業態の店舗を「いきなり!ステーキ」に転換したり、1人焼き肉専門店「焼肉ライク」を運営するダイニングイノベーションとフランチャイズ契約を締結したりしている。年末年始には、創業初となる全店舗の一斉休業も実施した。
これらの施策の効果が出たためか、18年9月〜12月における直営既存店の客数は前年比増となっている。AIやポイントカードの導入、そしてキャッシュレス化を進めることで業績をさらに回復させることはできるだろうか。
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