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外資系証券で6000万円使って分かった接待の極意:「お金」と「仕事」の本当の話をしよう(3/4 ページ)
顧客と信頼関係を築く手段としてに欠かせない接待。筆者は外資系証券会社に在籍していた際に通算580回の接待をした。合計6000万円近くを使って見えてきた接待の極意とは?
「もう一軒行きましょう」がダメな理由
次の店に行く際、「口直し」は便利な言葉である。「もう一軒行きましょう」だと、どうしても「もう一軒高いお店を、うちの証券会社の経費でごちそうします。あなたも、それでもいいですね?」といった意味合いに受け取られてしまい、相手が返答に困ってしまう。あくまで「自分が口直しをしたい。だから付き合ってほしい」という文脈で、2軒目、3軒目にご一緒いただく。
相手が初めて接待する顧客なら、自分がよく知っている店を選ぼう。顧客に対し、一定の満足度が保証されるからである。逆に、気心が知れはじめた顧客なら、一緒に新しい店へ冒険にでるのも「通の技」だ。信頼関係がものをいうビジネスの世界では、その店が失敗だったとしても、「二人だけ」の秘め事になるし、失敗談を共有することで、信頼感がさらにグレードアップするからだ。
大切な時間に敬意を示し、ビジネスの話もしっかりする
2軒目のバーには、美人で快活なバーテンダーもおり、顧客の心も会話も自然と弾む。ただし、世間話をしながら飲み食いするだけでは、接待として失格だし、会社の経費を使う大義もない。せっかく信頼関係を構築できたのなら、それをベースにしたビジネスの会話を絶対におろそかにしてはならない。
いよいよ、自由で“ぶっちゃけトーク”も交えたビジネスの話題に切り込める頃には、体力も限界に達している。私は、早朝から緊張する仕事をこなしており、3軒目で「口直し」をするころには午後11時を回っている。疲労困憊(こんぱい)でべろべろの状態だ。
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