小規模飲食店、キャッシュレス決済導入率は55.2%:POSレジ導入率は41%だが
首都圏を中心とした小規模飲食店ではキャッシュレス決済の導入率が55%となっている。また、POSレジの導入率は41%だが、最も導入してよかったツールやサービスだという回答だ。
首都圏を中心とした小規模飲食店経営者への調査で、キャッシュレス決済の導入率が55.2%に達していることが分かった。導入を検討している飲食店も合わせると、7割超がキャッシュレス決済に注目している。シンクロ・フード(東京都渋谷区)が運営する「飲食店.COM」が調査した。
飲食店経営において興味のあることについては、トップが「リピーターづくり」(58%)、次いで「SNSの効果的な使い方」(51%)、「飲食減価の削減」(43%)と答えており、マーケティングへの関心が高い。
キャッシュレス決済の効果についても、「海外のお客様が多く、入店の際にクレジットカードなどの使用はできるのか? との問い合わせが多く、導入前は使用できないことで帰ることも多々あったが、導入後は集客が伸びた」(東京都・バー)や、「新規顧客が増えた、つり銭の用意が楽になる」(東京都・専門料理)などのコメントがあった。
「POSレジ」の導入は41%に留まったが、「最も導入してよかったと思うツールやサービス」を聞いたところ20.8%でPOSレジがトップだった。「人件費一人分浮くと思う」(東京都・居酒屋)や「ABC分析が簡単にできる。顧客台帳と連携しているので前回来店時に何を注文したかなどがすぐ分かる。会計トラブルなどで後日連絡が来ても履歴を見てすぐい対応できる」(神奈川県・イタリア料理)などのコメントがあった。
本調査は飲食店経営者、運営者からなる「飲食店.COM」会員に対して、2018年12月25日〜19年1月6日にインターネットで行われた。回答者は279人だった。
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