冬スイーツの“女王” 「雪苺娘」が20年以上愛されるワケ:ヒットの理由を解剖(1/4 ページ)
山崎製パンの「雪苺娘」は冬の定番スイーツだ。なぜ20年以上売れ続けているのだろうか。味や具材のバランス、ネーミングにその秘密があった。
「冬の季節商品の中でも売れ行きはとてもいいですね」
山崎製パンが1998年から発売している「雪苺娘(ゆきいちご)」の人気ぶりについて、ローソンのスイーツ担当者はこのように語った。
圧倒的なブランド力を誇っていた商品がいつの間にか発売を取りやめたり、生産規模を縮小したりするケースが散見される。また、コンビニや量販店が次々とプライベートブランド(PB)の商品を開発しており、ナショナルブランド(NB)の商品は脅威にさらされている。消費者の好みもどんどん多様化している。
そんな状況で、雪苺娘はなぜ売れ続けているのだろうか。山崎製パンで商品の試作に関わったベテラン社員とマーケティングの担当社員に話を聞いた。
洋風のいちご大福ともいえる商品
まず、商品の概要を説明しよう。雪苺娘は求肥(ぎゅうひ)と呼ばれるもちもちの皮で、丸々1個のいちご、ホイップクリーム、スポンジを包んだ商品だ。見た目はいちご大福のようになっており、求肥の表面には粉糖(いわゆる粉砂糖)がちりばめられている。コンビニやスーパーでは1個200円前後で販売されている。
例年、12月27日から翌年5月のゴールデンウイーク明けまで店頭に並ぶ期間限定商品だが、過去にはいちごの代わりにバナナを求肥で包んだ「雪娘(ゆきむすめ) チョコバナナ」やブルーベリーを求肥で包んだ「雪娘 ブルーベリーレアチーズ」といった商品が発売されたこともある(いずれも現在は販売していない)。
12月27日以降に販売されるのには理由がある。まず、山崎製パンの工場はクリスマスまでケーキの製造を優先している。また、フレッシュ感ある旬のいちごを安定的に調達するのに都合がいいからでもある。
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