副業のしすぎに要注意!? 「過労で体調崩した」「本業がおろそかに」などの失敗談:副業をしている正社員は10%
副業をしている正社員が10.9%にとどまっていることがパーソル総合研究所の調査で判明。「今後やってみたい」という層は多かったが、「過重労働になり、本業に支障をきたした」「本業がおろそかになった」といった失敗談も挙がった。
「働き方改革」の一環で副業を解禁する企業が増えているものの、実際に副業を行っている正社員は10.9%にとどまっている――。パーソル総合研究所の調査でこんな事実が分かった。ただ、「今後副業をやってみたい」と考える人は41.0%に上り、同研究所は「今後さらに増加していく可能性がある」とみている。
副業をしている人に開始時期を聞いたところ、「1年以内」が41.3%で最多だった。「2年前から」(14.5%)、「3年前から」(12.5%)など、副業がビジネス界に浸透していない時期から行っていた層も存在した。
副業をしている正社員の割合が高い職種は「経営・経営企画」(21.2%)がトップ。「人事・教育」(18.1%)、「法務」(15.1%)、「ドライバー」(15.0%)、「総務」(14.0%)と続いた。副業による平均月収は6.8万円だった。
副業に取り組む平均時間は、1週間当たり10.3時間だった。ただ、本業を含む1週間の総労働時間が70時間を超える層が1割程度存在したため、同研究所は「過重労働にならないよう、副業者がセルフマネジメントを行うことが必須だ」とみている。
その指摘通り、副業をしている人の13.5%が「過重労働になり、体調を崩した」と回答。「過重労働になり、本業に支障をきたした」(13.0%)、「本業がおろそかになった」(11.3%)、「競業によって本業に不利益を出してしまった」(8.2%)、「本業の情報を持ちだしてしまった」(7.9%)、「本業の企業のイメージダウンになるような問題を起こしてしまった」(6.9%)などのデメリットも挙がった。
一方、「既存のやり方にこだわらず、よいと思ったやり方で仕事をするようになった」(43.5%)、「自分の仕事のやり方や経験を定期的に振り返るようになった」(40.5%)など、副業に取り組むことで、本業の進め方に良い影響があったとする意見も挙がった。
調査は2018年10月26〜30日にインターネット上で実施。10人以上の従業員が在籍する企業で正社員として働く20〜59歳の男女1万3958人に意見を聞いた上で、副業経験に応じた質問を行った。
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