ビジネスセンスを磨くにはどうすればいいのか:ある人、ない人(2/3 ページ)
サラリーマンであれ、起業家であれ、うまく問題を解決し、結果を出す人と、同じようなインプットと行動をとっているように見えても、まったく結果を出さない人がいる。何が違うのだろうか。
結果の差はセンスの差?
これはビジネスを行ううえでの「センス」が違うとしか言いようがないのではないか。ソリューションの質や価格にさほど差がないとすれば、残るのはセンスとしか言いようがない。
もしそうなら、ビジネスセンスを磨きたいと心から思う。
ビジネスマンの誉め言葉に、「あいつはセンスがある」というのがある。もちろんデザインや設計などのクリエイティブな仕事にはなくてはならないスキルであり、センス自体が仕事のクオリティと言ってもいい。技術者や職人も同様で、センスがスキルレベルとなるが、この「センスがある」と言われて悪い気はしないし、ナレッジワーカーにとってはこれほどの称賛はないだろう。
それとは真逆に、「あいつはほんとにセンスがない」というダメ出しの評価言葉がある。できることなら一生いただきたくない言葉だ。というより、ナレッジワーカーにとって、これほど屈辱を味わう言葉もないだろう。
センスというと、持って生まれたものとか、単に小器用であるとか、調子よく合わせるといったイメージを持っている人もいるかもしれないが、ビジネスを成功させるためには、必須のスキルなのではないか。
以前、知能の指数「IQ」に対して、ダニエル・ゴールマンが提唱した「こころの知能指数:EQ」がもてはやされたことがあったが、ビジネスで本当に必要なのは、センスの指数「SQ」だと思う。AIやIoTの社会になればなるほど、数値化しにくい、センスが問われると真面目に思う。
では、一般のナレッジウォーカーにとって、ビジネスセンスとはなんだろうか。どのような人がビジネスセンスがあると言われるのだろうか。ビジネスセンスといっても、なかなかひと言では言えないが、「センスがある」というのは、多くの場合は、結果に対して「これはセンスある仕事だ」という評価だろう。
例えば、以下にあるような事柄だ。
これらの結果を目の当たりにすれば、「相変わらずセンスあるね」などという評価を受ける。この場合は、目指すことは比較的簡単だろう。要はセンスがうかがえる結果を出せばいいのだから、プロセスはどうでもよく、センスがあると言われるような結果を出せばいいわけだ。
しかし、センスがあると言われるために頑張るというのも、かなりおかしい。センスがあるから結果を出せるわけであって、順番が違う。
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