テレビの「CMまたぎ」がなくなる日 “減らして効果を上げる”奇策とは:世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)
広告収入減少に危機感を抱くテレビ業界。米NBCがCMの全体量を減らす“奇策”を打ち出した。より効果的なCMの流し方を模索する動きが活発になっており、日本のテレビCMの形式も変わるかもしれない。
2月13日、NHK放送総局長の定例会見が行われた。
会見では、日曜午後8時から放映されている大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺」の視聴率が伸び悩んでいることに話が及び、木田幸紀放送総局長が「ついていけないとか、分かりにくいという意見も確かにいろんな所で聞いている」とコメントしたと報じられた。
日本を代表するテレビコンテンツである大河ドラマは、伝統的に老若男女が広く視聴する番組だけあって、このニュースが報じられるとネット上でたくさんの意見が飛び交った。コメントの中には、次のようなものがあった。「民放で、話の途中に急にコマーシャルが入ったりすると(略)本編が途切れてわからなくなる高齢の父などは、ついていけないかも」
民放では、番組中にCMが何度か入る。このコメントによれば、高齢者など、それによって混乱する人もいるということらしい。確かに、以前仕事で知り合った70代の男性も同じような話をしていたことがあるし、そういう視聴者は少なくないのかもしれない。 もっとも、視聴者はCMのおかげで無料でテレビを楽しむことができるわけだが、確かにドラマや映画などの途中でCMが入れば、混乱とは言わないまでも、ストーリーへの集中力が途切れてしまうことはあるかもしれない。
そもそもテレビCMは、以前なら1時間番組でだいたい15分おきに入ることが多かった。最近では不規則にCMを入れる番組も少なくないが、今も昔も、CMの間には短めのコマーシャルが数本流されるのが基本だ。この形は日本に限らず、米国などでも同じである。
いま米国で、そんなテレビCMのスタイルを根本から変えようとする動きがあって話題になっている。もしかしたら近い将来、米国発のこの動きが、日本のテレビCMのフォーマットを一変させてしまう可能性もある。
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