スターバックス元CEOの嫌われっぷりを加速させる「大迷惑」な挑戦:世界を読み解くニュース・サロン(1/5 ページ)
米スターバックスのハワード・シュルツ前CEOが2020年の大統領選に出馬する意向を示し、騒動になっている。トランプ大統領の再選を阻止したい有権者にとっては大きな迷惑となり、「出馬するな」という声が飛び交う。シュルツはなぜこんなにも嫌われているのか。
今、米国の有名企業経営者の動向が大騒動になっている。
1月27日、米コーヒーチェーン大手Starbucks(スターバックス)のハワード・シュルツ前CEO(最高経営責任者)が、2020年の米大統領選に出馬する意向であることを明らかにした。リベラルとして知られるシュルツは、過去2回の大統領選でも民主党から出馬する可能性が取り沙汰されたが、結局、一度も出馬することはなかった。だがここにきて、大統領選に出るのだという。
しかも、民主党からではなく、インディペンデント(無所属)として出馬すると主張したことで、大きな議論に発展している。
そもそもシュルツは、スターバックスの創業者ではない。1971年に生まれたスターバックスを、別のカフェ経営者だったシュルツが87年に買収し、そこから一気に拡大した。日本をはじめ世界中でスターバックスのコーヒーを飲めるようになったのは、世界的なブランドに育て上げた彼の手腕によるところが大きい。そして2018年6月にCEOから退き、家族との時間を取り、本を執筆すると述べていた。彼の総資産は34億ドルと言われている。
そんなシュルツの出馬は、米国人、とりわけ、ドナルド・トランプ大統領を支持しない有権者の多くにとって、「大変な迷惑」となる可能性が高い。民主党をはじめとする有権者の6割近くは、次の選挙ではトランプを本気で引きずり降ろそうと狙っているのだが、シュルツが出馬すればトランプが優位に立つことになると恐れている。スターバックスを世界的なブランドに育てたカリスマ経営者のシュルツはもともと方々から嫌われていたが、今、まさに反トランプ勢からも四面楚歌の状態になっている。
シュルツはそもそもどうしてそんなに嫌われているのか。そして、なぜ今回の出馬表明に批判の嵐が起きているのか。
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