スターバックス元CEOの嫌われっぷりを加速させる「大迷惑」な挑戦:世界を読み解くニュース・サロン(2/5 ページ)
米スターバックスのハワード・シュルツ前CEOが2020年の大統領選に出馬する意向を示し、騒動になっている。トランプ大統領の再選を阻止したい有権者にとっては大きな迷惑となり、「出馬するな」という声が飛び交う。シュルツはなぜこんなにも嫌われているのか。
次の大統領選もトランプが勝利する?
米国ではすでに、20年の大統領選がスタートしていると言える。
最近のトランプの言動も続投を目指すことが動機になっている。彼のとっぴな言動も、背景に「20年の大統領選を意識している」と見ると分かりやすい。メキシコ国境の壁も、中国との貿易戦争も、全ては次期大統領選に向けたアピールに他ならない。中国の華為技術(ファーウェイ)をたたくのも、北朝鮮の金正恩委員長と会談をするのも、全ては次の大統領選に勝利するためだ。
最近、日本の政府関係者との会話の中でこんな話になった。「次の大統領選もトランプが勝利するんじゃないですか。だって、(対抗馬である)民主党には、あと2年しかないのに有望な候補者すら見えてこない。またトランプが4年やるのでしょうかね……」
政府間でいろいろと下準備をしても、トランプの一声でひっくり返される可能性を恐れる外国政府は、予想不能な傾向にあるトランプの言動にやきもきしている。さらに今後4年も大統領でいられては苦労が続くのは明白だ。
ただ「選挙まであと2年しかないのに民主党に有力候補が一向に出てこないではないか」と心配するのは、米国政治を知らなすぎると言っていいだろう。というのも、歴代、民主党というのはまとまりにくい党であり、大統領になる候補は多くが選挙直前に有力候補として勢いよく浮上してくるからだ。ビル・クリントン、バラク・オバマがいい例だ。
だが珍しい例外は、前回のヒラリー・クリントンだった。前回の選挙では、数年前から次はヒラリー・クリントンしかいないと期待の声が上がっていたが、見事に惨敗している。つまり今の時点で取り沙汰される候補は、民主党の大統領候補にすらなれない可能性が高い――。そんな風に米国の政治専門家らは見ている。
そんな状況の中で、出馬に意欲を見せたシュルツ。だが案の定、彼が勝利することはまったくないと、方々から指摘されている。なぜなら、米国が世界に誇る巨大カフェブランドを率いたシュルツは、なぜか米国、特に地元であまり良く思われていないからだ。その証拠に、最近発表された米調査会社の世論調査によれば、共和党・民主党・無所属の支持者全体で、シュルツを支持すると答えたのはわずか4%。民主党支持者ですら、50%はシュルツを支持しないという。
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