ホテルの客室、改装したら客単価上昇 約8割が効果あり:沖縄県内調査
沖縄振興開発金融公庫が県内主要ホテルの改装動向を発表。2015〜17年度は平均で約5割のホテルが「改装実績あり」と回答。各年度とも改装後は約8割のホテルで客室単価が上昇していることが分かった。
沖縄振興開発金融公庫(川上好久理事長)は2月8日、県内主要ホテルの過去3年と2年先までの改装動向を発表した。2015〜17年度は平均で約5割のホテルが「改装実績あり」と回答。このうち、各年度とも改装後は約8割のホテルで客室単価が上昇していることが分かった。
55軒から有効回答を得た。「改装実績あり」と答えたのは15年度36.4%、16年度43.6%、17年度54.5%。今後の改装について「積極的に実施」「必要に応じて実施」を合わせると18年度58.2%、19年度70.9%、20年度61.8%となった。
公庫によると、主要ホテル69軒(シティー11軒、リゾート29軒、宿泊特化型29軒)を対象に調べた17年度の客室稼働率は、前年に続いて全タイプで8割を超えた。部分ごとの改装であれば改装中の収益低下にも耐え得ると判断し、改装を実施するホテルもあるという。
改装の効果として客室単価が「上昇した」のは15年度85%、16年度75%、17年度80%だった。ただ、客室単価が「低下した」ホテルが16年度に16.7%、17年度は20%あり、競争の激しさもうかがえる。
施設維持を目的とした改装が多いが、人手不足などを背景に、運営の効率化に取り組むホテルもあった。トリプルベッドルームの設置で、家族連れが宿泊する際のエキストラベッド設置の手間を省くなどしている。
公庫の担当者は「待遇改善で従業員満足度が向上し、サービスの質の向上につながる好循環を生み出すホテルもある」とし、人への投資にも期待した。
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