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「平成女子」の憂鬱 職場に取り憑く“昭和の亡霊”の正体とは?:ダイバーシティって本当?(5/5 ページ)
平成元年生まれの働く女性に本音を直撃。国や企業が掲げる「女性活躍」の建前とは裏腹に、特に「男社会」な金融系の職場にはびこるひずみを問う。
「ダイバーシティと聞くと胸焼け」
実際、人材サービスのアデコ(東京都千代田区)が18年末に各社の女性管理職550人に行った調査では、管理職への昇進を自発的に希望した人は1割未満となった。さらに約6割が「職場の内外にキャリアのロールモデルがいない」と回答しており、「平成女子」たちの悩み通り「理想の女性の先輩」が職場に乏しいことが裏付けられた。
大浦編集長は「今の金融や製造といった職場では管理職の男性比率が高い。企業は急に変われない。少しずつ女性の数を増やしてギャップを埋めていくべきだ」と指摘する。「平成は女性活躍の面で、昭和の時代に変わらなかったものが変わりだした時代だった。(結局はっきりと)変わったわけではなかったが、無駄な30年ではなかったと思う。激しく動き出すのが次の元号の時代ではないか」。
一方で、冒頭の石井さんは「ダイバーシティという言葉を大企業で聞くと胸焼けする。彼らがすぐシフトしていくとは思えない。言われているから(女性向け施策を)やっているだけで、経営陣が本当に欲しいのはソルジャーのように働ける男性社員だけなのでは」と悲観的だ。施策が先行する反面、職場の意識改革は遅れ気味と指摘されてきた日本企業の女性活躍戦略。平成の次の時代、果たして彼女たちの声がしっかり通るような職場に変われるかどうかが問われる。
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