焼き鳥からうどんへ“華麗”にシフト トリドールが戦略転換できたワケ:丸亀製麺で有名(1/4 ページ)
セルフうどん店の「丸亀製麺」で急成長したトリドールHD。実はもともと焼き鳥チェーンを経営していた。どうして畑違いともいえる別業態でも成功できたのか。
なぜあの企業は「戦略転換」したのか:
事業がうまくいっても、それが長く続くとは限らない。時代に合った新事業の立ち上げや経営方針の転換ができれば、持続的な成長につながるだろう。しかし、新しい戦略を実現し、成功させるのは簡単ではない。戦略転換した企業の収益の推移を追いかける。
連載第1回:「回転しない寿司」路線から6年 元気寿司が思い知った“意外な効果”
連載第2回:女子向けワイン酒場「ディプント」をヒットさせたプロントの“緻密な戦略”
連載第3回:本記事
飲食店コンサルタントの三ツ井創太郎です。今回は、飲食企業の「戦略転換」について解説したいと思います。
企業は時によって大きな戦略転換に迫られます。本年に予定されている消費増税やオリンピック後の景気動向、人材不足など、経営環境の不透明な中で一つの事業、または企業全体の戦略転換を考えている企業も多いかと思います。今回はこうした中で過去に時代の流れや顧客ニーズを正しく捉え、上手に戦略転換を行った企業の成功要因を分析することで、これからの不透明な時代を生き抜くための戦略転換のルールを導き出していきたいと思います。
丸亀製麺の前身は焼き鳥店
みなさんも一度は利用したことがあるであろうセルフうどん店の「丸亀製麺」。今では全国に展開するうどんチェーンとして知られていますが、丸亀製麺の前身は焼き鳥店であることをご存じですか?
丸亀製麺を展開するトリドールホールディングス(HD)は1985年8月、兵庫県加古川市に焼き鳥居酒屋「トリドール三番館」として8坪のお店からスタートしました。
ここでトリドールHDの規模を確認するために業績を見てみましょう。
トリドールHDは売上高が1165億円、営業利益が76億円となっています。セルフうどん店としては店舗数、売上高ともに日本一であり、国内で上場している外食企業においても15位の売り上げ規模となっています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「回転しない寿司」路線から6年 元気寿司が思い知った“意外な効果”
大手すしチェーンの元気寿司が「脱・回転」路線を打ち出している。回転レーンをやめて、注文された商品のみを特急レーンで提供。国内の152店のうち122店を「脱・回転」させた結果、思わぬ効果が生まれた。
女子向けワイン酒場「ディプント」をヒットさせたプロントの“緻密な戦略”
プロントが運営する女性向けワイン酒場「ディプント」。2009年に1号店をオープンしてから40店舗近くまで増えた。ヒットの要因と強さの秘密を解き明かしていく。
家賃が200万円もするのにスタバがもうかる理由
スタバは大都市の一等地に多くの店舗を構えている。1杯数百円のコーヒーを販売しており、店に長居するお客も多い。家賃が200万円以上するような場所でも利益が出せる秘密とは?
「指混入」だけじゃない 幸楽苑が日高屋に負けた理由
ラーメンへの異物混入事件でブランドイメージを大きく損なった幸楽苑。この事件が現在に至るまでの不振の原因として指摘される。しかし、本質的な敗因は別のところにもあった。
ライバルと明暗 栄華を誇った「小僧寿し」だけが大きく苦戦した理由
かつて2300店超を誇った「小僧寿し」だが、近年は回転すしや持ち帰りすしチェーンの猛追で苦戦していた。同じ持ち帰りのチェーンが踏みとどまってるのになぜ小僧寿しだけ苦戦しているのか。


