復調の兆し見せる「かっぱ寿司」、春商戦で何を仕掛ける?:地方の漁協とタッグ(2/2 ページ)
「かっぱ寿司」運営元のカッパ・クリエイトが2019年春の商品戦略を発表。富山市の漁協と連携し、「白エビ」をネタに使ったすしを期間限定で提供する。サイドメニューやデザートも拡充する。
ラーメン店・ハワイ州観光局ともコラボ
サイドメニューは、青森県内に4店舗、東京都内に1店舗を構えるラーメン店「長尾中華そば」とコラボした「コクうま煮干ラーメン」(390円)を3月13日に発売する。いりこに加え、ウルメイワシやカタクチイワシを使用した“あっさり系”の風味が特徴だ。
同商品は、カッパ・クリエイトが18年夏から始めた、有名店とのコラボ商品を期間限定で展開する「本格ラーメンシリーズ」の第5弾。これまでの4商品は、1年弱で累計250万杯を売り上げるなど好調といい、澄川専務は「歴代商品の中でトップの売れ行きを目指したい」と意気込んだ。
これらに加え、ハワイ州観光局とコラボしたサイドメニューやデザートも5月から販売する。「ガーリックシュリンプ」「ハワイアンパンケーキ」を2種類ずつ展開する計画(詳細は追って公表)で、顧客にハワイ旅行が当たるキャンペーンなども予定する。
復調の兆しも
同社が3月4日に発表した月次報告によると、2月の既存店売上高は前年同月比で98.0%、客数は98.1%、客単価は99.9%に落ち込んでいる。ただ、寒ブリや中トロなどの高級ネタを格安で提供した18年12月は既存店売上高が100.1%、客数が101.0%を記録するなど、復調の兆しもみられる。
澄川専務は「2月の実績が前年を下回ったのは、前年同月に『食べ放題』の対象を全店舗に拡大した反動が大きいためで、悪い流れだとは捉えていない」とし、「今後も漁協との連携などの取り組みにより、素材(ネタ)の品質の高さをアピールしていきたい」と展望を語った。
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