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海外で増え続ける「一風堂」 運営会社に聞いた進出の苦労とラーメンの味海外に100店超(2/5 ページ)

「一風堂」を運営する力の源(HD)が海外展開を進めている。海外の店舗数が国内を抜きそうな勢いだ。現地でラーメンをどのようにつくって売っているのか?

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ラーメンの原材料はどうやって調達している?

 「ramen」という英語が一般的に認知されるほど、日本のラーメンは独自の進化を遂げている。では、進出先の国では原材料をどのように調達しているのだろうか。

 矢野氏は「国やエリアによって事情は異なります。スープや麺をつくるキーとなる原料を日本から輸入することもありますが、現地で調達することもあります。一風堂の味のレベルは守るように心がけています」と説明する。

 スープの原材料には水、動物の骨、しょうゆなどがある。特にポイントとなるのはしょうゆだ。現地に日系のしょうゆメーカーが進出していれば、専用のしょうゆをつくってもらう。そうでない場合は、日本から輸入することもある。

 スープは基本的に店ごとにつくる。スープを作る全ての工程を各店舗で行うこともあれば、途中まで仕込んだスープを各店舗に運び最終調整をすることもある。味は各国で微妙に変えているが、「日本人でも味の違いが分かるかどうかというレベル」(矢野氏)だという。

 麺は基本的に現地製造している。独自の製麺機を日本から輸出し、現地で組み立てる。ヨーロッパのように店舗数が少ないエリアでは、製麺所を店舗に併設し、麺をつくる様子をお客に見せるようにしている。一種のパフォーマンスだ。店舗数が10店を超えるようなエリアでは、セントラルキッチンを置いて、そこで各店舗に供給する麺をまとめてつくる。

 麺の原料となる小麦粉はどうか。小麦はオーストラリア産などのものを使用するが、小麦粉を現地調達するかどうかは、現地の製粉メーカーのレベルによって判断している。ラーメン特有の風味とコシを出すために必要なかんすいは、現地で手に入らないことが多いので、日本から輸入する。

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IPPUDO Bangkok Central Bangna(タイ8号店)

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