Facebook、仮想通貨事業で2兆円超の追加収益か バークレイズが試算:10年前から意欲的だった
英大手金融機関Barclaysのアナリストであるロス・サンドラー氏が試算したところ、Facebookが発行するとうわさされる「Facebook Coin」によって計上される追加収益は2021年までに190億ドルに上る可能性があるという。米CNBCが報じた。
英大手金融機関Barclaysのアナリストであるロス・サンドラー氏の試算によると、Facebookが発行するとうわさされる「Facebook Coin」によって計上される追加収益は2021年までに190億ドル(2兆1222億円相当)に上る可能性があり、控えめにみても仮想通貨事業は30億ドル(3350億円相当)の増益に貢献する見通しだという。米CNBCが報じた。
同社が運営するメッセンジャーアプリ「WhatsApp」を通し、Facebookユーザーが送金などの取引を行えるFacebook Coinは、変動幅が比較的小さいステーブルコインになるとみられ、米ドルなどの法定通貨に連動する仕様となるという。
また、サンドラー氏の予測では、Facebook Coin発行当初の使用用途は国内間限りの少額決済や個人間送金に限定されるという。
現在、同社の個人情報の取り扱い方針を巡り、世界中で同社に対する批判の声が上がっている。そんな中で、広告収入以外で収入源を構築しようとする同社の試みは株主にも快く受け入れられるとみられ、「ましてやそれがユーザーのプライバシーを侵害しないサービスとあればなおさらだ」とサンドラー氏は評価した。
サンドラー氏によるとFacebookは10年ほど前から独自の決済サービスの開発に意欲的だったという。2010年には「Facebook credits」と呼ばれるデジタル通貨の開発に取り組んでいたものの、コストとの折り合いがつかずプロジェクトは頓挫したようだ。
Facebookも仮想通貨業界も成長した今、次こそは決済事業を成功させることができるか注目される。
関連記事
- 米Facebookが秘密裏に進める仮想通貨事業の内容とは……
米Facebookが仮想通貨事業を秘密裏に進めている。具体的にどのようなプロジェクトに取り組んでいるのかも公にされていない。関係者の証言などからみえてきたのは…… - ミクシィの木村社長が語る「モンスト」と「Facebook」
SNS依存からの脱却に成功したミクシィ――。2013年にリリースしたスマートフォン向けゲームアプリ「モンスターストライク」が記録的な大ヒット作品に成長。なぜモンストだけがこれほどまでに人気を得ることができたのか。同社の木村弘毅社長に話を聞いた。 - 「モナコイン」攻撃のインパクトは 「PoWだけでは限界があるかもしれない」
仮想通貨「モナコイン」が海外の仮想通貨交換取引所で攻撃を受けた事件について、ブロックチェーン推進協会(BCCC)がこのほど、報道関係者向けに説明会を開いた。 - 「モナコイン」攻撃はブロックチェーンの安全神話を揺るがすか
仮想通貨「モナコイン」が最近、5月15日までにロシアの仮想通貨取引所Livecoinで攻撃を受け、1000万円ほどの損失が発生するという事件が起こった。 - 「機関投資家の22%は既に仮想通貨を保有」 米Fidelityが仮想通貨関連サービスを密かに開始していた
米大手金融機関Fidelityは密かに仮想通貨のカストディーサービスや取引業務などの一部サービスを開始していたようだ。また、仮想通貨に関する独自の調査結果を発表した。米CNBCが報じた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.