ミクシィの木村社長が語る「モンスト」と「Facebook」:SNS依存からの脱却(1/5 ページ)
SNS依存からの脱却に成功したミクシィ――。2013年にリリースしたスマートフォン向けゲームアプリ「モンスターストライク」が記録的な大ヒット作品に成長。なぜモンストだけがこれほどまでに人気を得ることができたのか。同社の木村弘毅社長に話を聞いた。
なぜあの企業は「戦略転換」したのか:
事業がうまくいっても、それが長く続くとは限らない。時代に合った新事業の立ち上げや経営方針の転換ができれば、持続的な成長につながるだろう。しかし、新しい戦略を実現し、成功させるのは簡単ではない。戦略転換した企業の収益の推移を追いかける。
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SNS依存からの脱却に成功したミクシィ――。2013年にリリースしたスマートフォン向けゲームアプリ「モンスターストライク」(モンスト)が記録的な大ヒット作品に成長した。14年3月期に122億円だった同社の売上高は、モンストがけん引する形で15年3月期には1129億円と、およそ10倍近くの水準にまで飛躍。さらに翌年の16年3月期には2088億円にまで業績を伸ばした。
主力事業であったSNS「mixi」が低迷し、業績不振に苦しんでいたミクシィを救うこととなったモンスト。なぜモンストはこれほどまでに人気を得ることができたのか。開発責任者を務め、モンストの立役者としても知られる同社の木村弘毅社長に話を聞いた。
なぜSNS「mixi」は突如失速してしまったのか?
mixiは04年に本格的にサービスを開始。日記やコメントの投稿だけではなく、「マイミクシィ(マイミク)」と呼ばれるmixi上の友だちを増やし、マイミクとコミュニケーションを取りながら遊べるゲームなども展開。みんなでmixi上のサービスを楽しむ仕組みを整えたことなどが功を奏し人気を博した。
同時期にSNSサービスを開始した国内の競合はいくつかあったものの、mixiは頭一つ抜き出るサービスに成長。11年には月間のアクティブユーザー数(MAU)が1500万人を超える人気ぶりだった。
今後も事業は順風満帆に成長していくと思われた矢先、米国発のSNSサービス「Facebook」などの海外勢が日本に進出したことで状況は一変。次第に“SNSの主流はFacebook”という流れに変わり、mixiは苦境に追い込まれた。
国内では敵なしだったmixiがFacebookに勝てなかった理由について木村社長は次のように分析する。
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