週100時間以上働くエリートほど出世しない理由:「お金」と「仕事」の本当の話をしよう(3/4 ページ)
投資銀行やコンサルティングファームで働くエリートは長時間労働をしがちだ。しかし、業務に必死に取り組むエリートほど出世しないという。どういうことなのだろうか。
「逃げる人」ほど「勝つ」?
対照的に、本当にトップに立つ人ほど、ある意味うまく自分の「逃げ道」を用意している。自分がそのキャリアを愛し、うまくやれる自信があるからこそ、「仕事を嫌いになってしまわないような環境」を自らつくっているのだ。
人生の伴侶との記念日があれば、上司にも譲らず事前に掛け合って時間をつくり、エンジョイする。重要プロジェクトで忙しかろうが家族の有事には必ず立ちあい、親友の結婚式にも駆け付ける。そして、自分が切羽詰まってしまい「何もしたくない」と感じたときには、無邪気なウソをついてでも、自分だけの時間を設ける。
皮肉な現象だが、エリート社会ではこうして「逃げ方を知っている」人ほど「勝って」いる。降ってくる仕事を何の疑いもなく完遂しようとするのではなく、その仕事を含めた「トータルとしての日常」を長く愛し続けられるよう、自分の環境を積極的にマネジメントしているのだ。公私ともに楽しみな目標を掲げる。そして体調に関しても、疲れてはいても「慢性的な困憊状態」に自分を追い込まないよう、良い意味で自分を律している。結果、頑張るときには頑張りきって最高のパフォーマンスを発揮しているのだ。
筆者は現在、調査から買収まで、日系企業のアジア展開支援をする「Asia Disruptive」をマレーシア拠点から、社会課題解決型の投資ファンド「ミッション・キャピタル」を東京からそれぞれ展開しているが、社員がどこで何時間何をしながら働いているのかについては一切詮索しない。これまでの人生経験から、社員が最高のモチベーションで仕事をすれば、クライアントが満足すると確信できるからだ。極論をいえば、「自分が最高に頑張れる環境のマネジメント」に資するなら、彼・彼女らがハワイやイタリアに住んでくれても良いと思っている。
関連記事
- 退職時にこそ猛烈に仕事をすべき2つの理由
転職市場が活性化しており、何度か退職を経験した人も多いだろう。退職時にこそ猛烈に仕事に取り組むべきだと筆者は主張する。どういうことかというと……。 - 外資系証券で6000万円使って分かった接待の極意
顧客と信頼関係を築く手段としてに欠かせない接待。筆者は外資系証券会社に在籍していた際に通算580回の接待をした。合計6000万円近くを使って見えてきた接待の極意とは? - 「高学歴新卒」は本当に優秀? 活躍しているの? 識者が語る“リアル”
世間では「高学歴だからといって、仕事ができるとは限らない」などとやゆする声が散見される。企業が上位校学生への採用を重視することを批判的に捉える声もある。時として批判を集めてしまう上位校学生だが、実際はどんな能力を持っており、社会で活躍できているのか。“優秀層特化型”の就活サービスを手掛ける、リーディングマーク代表取締役の飯田悠司氏に意見を聞いた。 - 仕事中に「マジ切れ」する日本人が増えている、ちょっと意外な理由
一般社団法人 日本アンガ―マネジメント協会の安藤俊介理事長によると、現代の日本では仕事中にイライラするビジネスパーソンが増えているという。その理由と、怒りを抑えるための技術を聞いた。イライラを防ぐコツは「他者との違いを受け入れる」ことだという。 - 家賃が200万円もするのにスタバがもうかる理由
スタバは大都市の一等地に多くの店舗を構えている。1杯数百円のコーヒーを販売しており、店に長居するお客も多い。家賃が200万円以上するような場所でも利益が出せる秘密とは?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.