マーケティングフレームワークのワナと対策:誤用が招く問題点(1/4 ページ)
マーケティングのフレームワークを活用する際に陥りがちなパターンと、その実践的な解消のポイントを押さえていく。
フレームワークはマーケティングを考える上で欠かせないものである。しかし、その使い方を間違えれば、ミスリードを招く危険性もはらんでいる。
今回は、そのフレームワークの誤用が招く問題点と、正しい使い方を取り上げていきたい。
誤用1:いきなり4P
「マーケティングって4Pでしょう?」と言われるぐらいメジャーなフレームワークが4Pだ。4Pとは、マーケティングの施策の4つの要素である、production(製品)、price(価格)、place(販路)、promotion(コミュニケーション)の頭文字を取ったものだ。有名であるがゆえに、いきなりこの4Pから検討を始める例が散見される。
最終的には、施策の検討要素として4Pを策定しなければならないのだが、そこからはじめてしまうと、その製品・サービスを「誰に、どんな価値として訴求するのか?」がわからなくなってしまう。また、さらにその手前の「自社を取り巻く環境がどうなっているのか? (どんな機会と課題があるのか?)」も分からないまま、施策を決めることになってしまう。
マーケティングを考える「流れ」=「マーケティングマネジメント」は、環境分析→セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング→4Pなのだ。
「マーケティングは“流れ”で読み解く」と覚えておきたい。
誤用2:穴埋め問題的環境分析
フレームワークを用いている時によくあるのが、フレームに事実関係を当てはめ「事実整理」をするだけにとどまる例だ。例えば環境分析の3C分析なら、customer(市場と顧客)、competitor(競合)、company(自社)の3つのCの枠組みに、思い浮かんだ(もしくは、情報収集した)事実を書き込んで整理しただだけで安心してしまうことである。
環境分析のフレームワークなら、結論として、「どんな市場機会と事業課題があるのか?」という「解釈(意味合い・メッセージ)」を導出しなければ分析する意味がない。
フレームワークは「穴埋め問題」ではないことを心掛けたい。
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