マーケティングフレームワークのワナと対策:誤用が招く問題点(2/4 ページ)
マーケティングのフレームワークを活用する際に陥りがちなパターンと、その実践的な解消のポイントを押さえていく。
誤用3:属性のみのセグメンテーション
ターゲットを考える時には、その手前で「どんな顧客候補がいるのか?」を抽出する必要がある。それが、セグメンテーションだ。その際、「性・年齢」でとりあえず切り分けてしまう例が多い。そこから、「ターゲットは20代女性」などという、もやっとした絞りきれていない結論になってしまうのである。
ターゲット候補を抽出する切り口として、性・年齢という「属性」は、ある意味わかりやすい。しかし、その属性を持つ人がその製品・サービスを求めているのかということは分からない。
そもそも、セグメンテーションとは、属性から考えるものではない。「どんなニーズを持った人々がいるのか?」という「ニーズ」に注目するのが原則だ。そして、「そのニーズを持った人々は、どんな属性なのか?」という順番で考えるのである。
「セグメンテーションはニーズで括る」と、覚えたい。
誤用4:直感的ターゲティング
ターゲットを決める時、妙にリアリティのあるなんとなくイケそうなターゲット像が描かれることがある。ターゲットを一人の人物像を描くように詳細化するのは、「ペルソナ」という手法であり、それ自体は有効なものだ。問題は、それがいきなり描かれることなのだ。
ターゲティングの手前では、前項のセグメンテーションで複数の顧客候補が抽出されていなくてはならない。その中から明確な根拠をもってターゲットを絞り込むのがキモなのである。
代表的な絞り込みの基準としては、そのセグメント(顧客候補)の規模、成長性、波及効果、到達性、競争環境などがある。それらの基準に照らし合わせて、ターゲットを絞ったあと、それを詳細化してペルソナを作れば良い。
「ターゲット詳細化(ペルソナ)の前に、複数のセグメント(顧客候補)を評価してターゲットを選ぶ」ということを覚えておこう。
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