マーケティングフレームワークのワナと対策:誤用が招く問題点(3/4 ページ)
マーケティングのフレームワークを活用する際に陥りがちなパターンと、その実践的な解消のポイントを押さえていく。
誤用5:自社都合のポジショニングマップ
「誰(ターゲット)」を狙うかが決まったら、そのターゲットに対して示すべき「価値(差別化要素)」を明確化する必要がある。それがポジショニングだ。
ポジショニングは自社の強みが発揮できる要素で2軸のマップ(ポジショニングマップ)を作るのが一般的である。その際、「何を軸にするのか?」が最大のキモであるが、ままあるのが、「自社の優位性が示せる要素」で考えてしまうことだ。自社にとって競合に対して優位性が示せるとしても、それを顧客が望んでいるとは限らない。
自社が優位性を示せるかどうかは、結果である。
まずは、「顧客の買う理由(key buying factor=KBF)で切る」と覚えておこう。
そうして軸を切ってマップを作り、優位性のあるポジションが取れるように工夫するのである。
誤用6:バラバラ4P
ここまで、環境分析→セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングと考えてきて、ようやく施策の立案である4Pの検討となる。
しかし、4Pの要素を個別に考えてしまうと、施策全体がちぐはぐになってしまう懸念がある。製品のスペックと価格が釣り合わない、販路が適していない、効果的のプロモーションが行われない……などのことが発生する。特に組織間で4Pの要素が分裂して担当される場合は要注意だ。productとpriceは製品開発部、placeは営業部、promotionは広告宣伝部の担当などということはよくある。その場合でも、組織横断的に全体の検討が必要なのだ。
そうならないためにも「4Pではなく、マーケティングミックス」と呼んだ方が良い。4つのPの要素をミックス、つまり、混ぜ合わせて効果を最大化することが大事なのだ。その際、相互の「整合性」、つまり相互にかみ合っていることに留意することが肝要である。
そのためにも、まずは「4P」ではなく、「マーケティングミックス」という言葉で覚えておこう。
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