ナチュラルローソンが5個で499円のゆで卵に“商機”を見いだしたワケ:どんなニーズがあるのか(1/3 ページ)
女性客が7割を占めるナチュラルローソン。4月23日に5個で499円のゆで卵を発売する。どんな勝算があってこの商品を開発したのか
首都圏を中心に139店舗を展開するナチュラルローソン(2019年3月末現在)が、筋肉を効果的に鍛えたいと考えているお客向けの商品を強化している。
ナチュラルローソンは「女性を中心に『美しく健康で快適な』ライフスタイルを身近でサポートするお店」というコンセプトを打ち出している。実際、お客の7割は女性となっており、ちょっと高いけど個性的なサラダやスイーツ、女性の旅行先として人気の台湾風スープなど、ヘルシーな独自商品を販売している。つまり、「女性向けローソン」とも表現できる。
そんなナチュラルローソンがプロテイン系の商品開発に着手したり、商品ラインアップを強化したりしている。どうして“筋肉需要”に目を付けたのだろうか。
5個で499円のゆで卵を発売
筋肉需要を狙う象徴的な商品が4月23日に発売される。それは、「Boiled eggs」だ。殻をむいたゆで卵を真空パックしたもので、2個入りが248円(税別、以下同)、5個入りは499円となっている。シンプルな塩味が特徴で、ナチュラルローソンがメーカーと共同開発した商品だ。大手コンビニでは2個入りの煮卵が150円前後で販売されているので、割高といえる。
パッケージデザインは黒を基調としており、「you-de TAMA-GO」という力強い文字がプリントされている。まるで、スポーツ選手が日常的に摂取するプロテイン飲料のような見た目だ。常温保存が可能で、賞味期限は製造日から180日となっている。
Boiled eggsを開発したナチュラルローソンの担当者は「30〜40代の働く女性が主なターゲットです」と解説する。ナチュラルローソンでは17年頃からプロテイン(タンパク質)を効果的に摂取できる商品のラインアップを強化してきた。「プロテインを摂取することで、髪の毛や爪をツヤツヤにしたいと考えるお客さまがメイン」(担当者)だった。
近年、ナチュラルローソンでは、プロテイン関連商品が含まれたカテゴリーの売上高が伸びている。18年度は前年比で4割増にもなった。さらに、18年になると有名タレントが“筋肉ムキムキ”ではなく、体を適度に引き締める目的で筋トレを推奨するようになった。フィットネスジムで単なるダイエット目的ではなく、体を鍛えることに喜びを見いだすお客が増える傾向にあると担当者はみている。
このように、お客の“筋肉需要”が増えていることは、さまざまなデータやトレンドから明らかになりつつあったのだ。
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