タイガー・ウッズ復活劇、勝利の裏で名を上げた“あの企業”:世界を読み解くニュース・サロン(5/5 ページ)
米プロゴルファー、タイガー・ウッズの復活劇が注目を浴びている。その裏には、暗黒時代にもスポンサーとして支え続けた企業の存在があった。その筆頭が、スポーツ用品大手のナイキだ。また、その中には日本企業も名を連ねている。
ウッズを支えた日本企業
落ち目のウッズを支えた企業に話を戻すと、ウッズを支えた企業として、ナイキばかりが評価を上げているが、日本企業もスポンサーとしてウッズの後援をしてきた。日本のテレビCMでおなじみの興和は、外用鎮痛消炎薬「バンテリンコーワ」のCMでウッズを起用し、スキャンダル後に最初のスポンサー契約を結んだ企業だと報じられている。またブリヂストンは16年にゴルフボールのスポンサーになっている。こうした企業も、今回のウッズの勝利を支えてきた「功労者」だと言えるだろう。
世界的に話題になった復活劇にスポンサーとして関わることは、企業としても相当うれしいことだろう。あとは、これからウッズがどのようにアスリートとして上昇していくのか、期待度が高まっていることは間違いない。
ちなみに、日本では元プロ野球選手のイチローが「国民栄誉賞」を辞退したことで賛否が分かれる話題になったが、ゴルフが大好きなドナルド・トランプ米大統領は、仲のいいウッズに「大統領自由勲章」を授与する予定だといち早く発表して話題になっている。ウッズも、元ボクサーのモハメド・アリや映画監督のウォルト・ディズニー、スティーヴン・スピルバーグなどが受賞している文民最高位にあたる勲章を拒否するようなことはしないだろう。
劇的なカムバックで大きな話題をさらっているウッズには、トランプ大統領ですら、その勢いに乗っかりたいということかもしれない。
筆者プロフィール:
山田敏弘
元MITフェロー、ジャーナリスト・ノンフィクション作家。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト・フェローを経てフリーに。
国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)がある。最近はテレビ・ラジオにも出演し、講演や大学での講義なども行っている。
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