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「令和駅」は誕生するのか? 「高輪ゲートウェイ駅」を改名したい杉山淳一の週刊鉄道経済(4/5 ページ)

GWの大型連休に関連して、旅行業界が盛り上がっている。そんな中で筆者が注目しているのは、新元号の始まりを特別列車の車内で祝うツアーである。中でも近畿日本鉄道の「元号をつなぐ貸し切り列車の旅」は豪華で……。

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「令和駅」は誕生するか

 元号の付いた駅がある。明治神宮前駅、大正駅、昭和駅、平成駅だ。

 明治駅そのものはなくて、「明治神宮前駅」がある。文字通り、明治神宮の最寄り駅だ。地下鉄千代田線の駅として、72(昭和47)年に開業した。山手線の原宿駅に近い。ならば原宿駅にすればよかったと思うけれど、当時の営団地下鉄の意地だったのか。原宿が若者たちに注目されるずっと前に開業していて、明治神宮のほうが目的地を示し、分かりやすかったとも言えそうだ。現在は「明治神宮前〈原宿〉」と副駅名で原宿をアピールしている。

 大正駅はJR西日本の大阪環状線と大阪メトロ長堀鶴見緑地線の駅だ。大正時代後、32(昭和7)年に設置された。改元を記念した駅ではなく、由来は付近の地名が大正だったからである。ちなみに、地名は大正橋から名付けられ、この大正橋は大正時代を記念して命名された。大正駅は島原鉄道にもある。55(昭和30)年に設置され、駅付近の村が大正村だった。

 昭和駅はJR東日本の鶴見線にある。31(昭和6)年に設置された。駅名の由来は付近に昭和を冠した会社があったから。平成駅は熊本県の豊肥本線にある。この駅付近で再開発計画があり、新たな地名を平成とした。そこに駅をつくったから平成駅だ。

 こうしてみると、やはり駅名は単独では正しく機能しない。明治、大正、昭和、平成。それぞれの駅は、元号にちなんでいるけれども、直接の由来ではない。付近に元号が付く地名や企業があって、そこへ行くための分かりやすい記号として駅名が付けられている。

 では、「令和駅」はどこにできるだろう。あるいは、どこにつくられるべきか。

 2019年5月以降、19年内に開業予定の駅は、相模鉄道とJR東日本の境界となる「羽沢横浜国大駅」、沖縄都市モノレール延伸区間の「石嶺駅」「経塚駅」「浦添前田駅」「てだこ浦西駅」、三陸鉄道の「新田老駅」だ。

 20年の新規開業駅は東海道本線の「御厨駅」、山手線・京浜東北線の「高輪ゲートウェイ駅」、予讃線の「南伊予駅」、富山ライトレールの「永楽町停留場(仮名)」、東京メトロ日比谷線の「虎ノ門ヒルズ駅」、北大阪急行電鉄延伸区間の「箕面船場阪大前駅」「箕面萱野駅」。

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