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日本に凱旋した北米マーケットの大黒柱RAV4:池田直渡「週刊モータージャーナル」(6/6 ページ)
トヨタ自動車の新型RAV4は北米で屋台骨を支える最量販車種。無骨な方向に進化し、大型化して日本に戻ってきた。3種類の四輪駆動方式の違いと特徴はいかに。
だから筆者は、普通の人にはそういう不自然な部分が少ないDTCモデルを勧めたいのだが、一方でDTVモデルはタイヤの能力に余裕がある領域ではすこぶる優れた接地感を発揮し、気持ちよく走る。それも捨てがたい。技術の粋を凝らしてトルクで曲がるAWDを選んで、それをあんまり使うなというのも微妙な話だが、DTVの効果がハッキリ現れるような領域にわざわざ踏み込むのは、お勧めできない。よほど腕に自信があるならともかく、普通の人は日常域での味を楽しんだ方がいい。そしてそこにちゃんと技術の価値が現れている。
RAV4の特筆すべき点は、穴に一輪を落とした状態から、どのモデルであっても普通に脱出できることだ。四輪駆動の宿命として、どこか一輪が浮いてしまうと、駆動力が逃げてしまい、残る三輪がしっかりグリップしていても脱出できなくなる。もっとハードなクロスカントリーモデルならデフロックを装備していて脱出が可能なのだが、普通の生活四駆はそこで身動きが取れなくなる。
その点RAV4は、そういう状況下でも、全てのモデルが何事も無かったように脱出できることは、高く評価できる。「どんな気象条件であろうとも家族を病院まで……」という話はただのお題目ではない。人気の無い場所や、厳しい気象条件で身動きできなくなるというリスクを回避できる性能には価値があると思う。
ボディサイズが許容でき、ちょっとしたアドベンチャーに興味がある人にとって、選択肢になるクルマだろう。
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