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なぜ「プリウス」はボコボコに叩かれるのか 「暴走老人」のアイコンになる日スピン経済の歩き方(6/7 ページ)

またしても、「暴走老人」による犠牲者が出てしまった。二度とこのような悲劇が起きないことを願うばかりだが、筆者の窪田氏は違うことに注目している。「プリウスバッシング」だ。どういう意味かというと……。

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何かのきっかけで「大爆発」する可能性

 ならば、「#今日のプリウス」「#プリウスミサイル」という局地的なバッシングも、何かのきっかけで「大爆発」する可能性はないか。例えば、多発する「暴走老人」たちが、自分の操作ミスではなく、プリウスの不具合だと声をそろえて訴えたら――。

 そんなバカな話があるわけがないと言い切れるだろうか。福岡のケースでは、運転手はトヨタの不具合だと主張しているし、先ほど触れたように、高齢者ドライバーというのは歳をとればとるほど独善的になる。悪いのは自分の運転ではなく、プリウスだと逆ギレする暴走老人が増えても何もおかしくはない。

 という話をすると、「そんな事態になる前に暴走を防ぐ新技術や自動運転が開発されるから大丈夫」みたいなことをいう人もいるが、仮にそれが開発されたところで、シニアが運転する車に全て適応されるまで、あと何人、今回の母子のような犠牲者を出さなくてはいけないのかという問題がある。

 高齢者は問答無用で免許を奪えとかいう人もいるが、車が移動手段の田舎ではライフラインを奪うのと同じだ。しかも、「老人優遇」のシルバー民主主義のこの国ではかなりハードルが高い。

 ならば、どうするか。

 個人的には、そのような技術革新を進めながらも、17年の記事『アクセルと踏み間違えない「左ブレーキ」が、普及しない理由』の中で詳しく紹介した「左足ブレーキ」を1日も早く導入すべきだと思っている。


「左足ブレーキ」はなぜ普及しないのか(写真提供:ゲッティイメージズ)

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