ひろゆきの提言(2)――予測が難しい時代にハズさない「未来の読み方」:西村博之が語る「令和ニッポンの処方箋」【中編】(6/6 ページ)
ひろゆきこと西村博之氏が、令和時代を迎える日本が今後どんなふうにヤバくなるのか、沈みゆく日本で生き抜くためにはどうしたらいいのかを3回にわたって提言する。第2回目は予測が難しい時代に、ハズさない「先読み」のコツ――。
ヒット予測はまず“普及しない理由”を考える
AIやIoT(モノのインターネット)などのテクノロジーの将来性も、ある程度、予測することができます。新しいテクノロジーは既存の技術の延長線にあるものなので、時間の問題で実現するモノだからです。
機材がより安くなって、より小さくなるのは必然です。そうすると昔は高価なPCでないとできなかったことが、技術革新によって数百円でできるようになります。
ドローンが普及したのも、モーターとプロペラ自体は昔からあった技術ですが、小型で軽くて安価なコンピュータが機体の姿勢を制御できるようになったからです。新しいテクノロジーやサービスの将来性を予測するときには、僕はまず“普及しない理由”を挙げていきます。“普及しない理由”の多くは、コストの問題と感情的な問題です。それらをクリアしているモノはそのうち“来る”と考えられます。
例えば、僕が将来的に“来る”と思っている端末は、目の網膜にレーザーで映像を直接照射する網膜投影型のディスプレイです。
今のディスプレイは、スクリーンなどに映像を投影する方式なので、歩きながらなど移動中には前がふさがって不便です。最近では、マイクロソフトが開発した、MR(複合現実)が体験できるゴーグル型のデバイスが話題になりました。ゴーグルのレンズは半透明で、レンズにホログラムによる3D映像を投影して、現実の世界にあるように表示するのですが、まだ解像度が低いんです。
その点、網膜投影型なら、一つのレーザーで網膜に照射すれば理論上は解像度をいくらでも上げられますし、前をふさがないので視界も遮りません。コストも安いので、技術的には勝つだろうなと予測できるわけです。コストや量産化の問題、網膜に光を当てるのは怖いといった生理的な嫌悪感の問題はあると思いますが、それは時間が解決すると思います。
著者プロフィール
ひろゆき(西村博之)
本名・西村博之。1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、米国のアーカンソー州に留学。99年にインターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年に株式会社ニワンゴ取締役管理人に就任。06年、「ニコニコ動画」を開始し、大きな反響を呼ぶ。09年「2ちゃんねる」の譲渡を発表。15年に英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。
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