【第10話】最終回・改革プロジェクトに終わりはない:「働き方改革」プロジェクトリーダーを命ず(2/4 ページ)
軌道に乗り始めた働き方改革プロジェクト。うまくいったコツには「5カ条」が関係していたようだった。そこで意外な人物が登場……?
各人が明かすプロジェクト成功の理由
加藤: なんといっても「1」だよな。ただ、上意下達のトップダウンだけじゃだめだ。部門に命令するのではなくて、プロジェクトという体制をつくって、メンバーをコミットさせたのが大きい。ステコミ(ステアリングコミッティ。プロジェクトの運営を行う運営委員会)で議論しているうちに、前向きにならざるを得なかったな。
経理課長の加藤が述懐する。
福島が続く。
福島: 俺は「3」が大きかったと思うな。業務量の大きなところをターゲットにしたことで、部門の課題意識から脱却できた。部門ではうまくやっているつもりの業務に、こんなに見直しの必要性があるとは思わなかった。 それが「4」につながっていった感じだな。
「竹中さん、いかがでしょう?」日野下が問いかける。
竹中: そうですね。部長さんももちろんなのですが、現場リーダークラスをうまく巻き込めて、アイデアがでるサイクルに持ち込めたのも大きいですね。部長さんたちはそれに乗っていった感じです。
現場がやる気になったのは、経企メンバーが第三者的に議論に入って、仮説や事例をぶつけたことと、経営層と直接議論できたことが要因ですね。会社が本気だ、と伝わりました。
日野下: 私としては、滝柄さん(総務担当役員)が会議・資料改革を提言してくれたり、上地さん(IT担当役員)が、統制の重要性を指摘してくれたりしたのがうれしかったな。企画だけでは持てない視点を提供してくれた。みんなの意見を書き加えるとこんな感じかな。竹中さんの5カ条に、赤字で足してみた。
更に小一時間、飲みながら議論した後で、日野下が示した。
竹中: こうして書き足してみると、このプロジェクトから得たものは大きいですね。
福島: 日野下のところも、ようやく経営企画らしくなってきたな。俺たちに指示して、集めて、ホチキスで留める、ってレベルから脱却しつつある。竹中さんに頭があがらんな。
竹中: いえいえ、私はたいしたことはしていませんから。この5つのポイント、次のプロジェクトに生かしてくださいね。
日野下: 次のプロジェクト?
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