1日で3000本! 昭和25年開業のミルクスタンドにお客が絶えない理由:牛乳ビンでぐいぐい飲む(3/4 ページ)
JRの秋葉原駅と御徒町駅に昔ながらのミルクスタンドがある。ビンに入った牛乳を提供するスタイルにこだわり1日で3000本を売り上げる日も。牛乳のファンを獲得するために工夫していることとは?
販促のために知恵を絞る
店員による推奨だけでなく、お客を楽しませたり、季節ごとの変化を出すような取り組みもしている。
大沢牛乳は定期的に「ご当地牛乳総選挙」を実施している。これは、5種類の牛乳の試飲を実施し、お客がおいしいと思ったものに投票してもらう仕組みだ。また、夏にはラムネを販売し、冬にはあたためた牛乳を多く用意する。
ミルクスタンドの経営で知られる大沢牛乳だが、実は秋葉原駅構内で自動販売機を13台運営している。自動販売機には「酪王カフェオレファンの声から生まれた待望のカフェインレス」「ストロベリーフェア」といったポップがペタペタと貼り付けてある。品ぞろえも工夫しており、ミルクスタンドの営業時間外にもこだわりの牛乳をお客に届けようとしている。
変わらない売れ筋
牛乳関連のラインアップを増やしたり、販促を工夫したりしている大沢牛乳だが、実は売れ筋商品はあまり変化していないという。
今も昔も白い牛乳よりコーヒー牛乳のほうが出数は多い。稲村氏は駅のホームで甘いものを飲みたいというニーズが高いためではないかと分析している。また、菓子パンのラインアップ(あんぱん、ジャムパン、クリームパンなど)はほとんど変わっていないが、不動の1番人気はあんぱんだ。牛乳とあんぱんを組み合わせた注文が多いので、「あんぱん定食」という社内用語が存在するほどだという。
駅のホームで牛乳を飲むというレトロな行為は、大沢牛乳の企業努力もあって、現在でも多くのお客の支持を集めている。昭和と平成の時代を駆け抜けてきた同社は、令和の時代もこだわり牛乳のファンを増やし続けられるだろうか。
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