復活できるのか? 再上場で注目される、ジーンズの「リーバイス」:競合がたくさん(3/5 ページ)
リーバイスを展開するリーバイ・ストラウス社は、創業166年になる老舗ブランド。そんな歴史的な企業が、最近また注目されている。その理由は、2019年3月に同社がニューヨーク証券取引所に再上場したからだ。
ファッショントレンドの変化
次に懸念すべきなのは、ファッショントレンドの変化だ。リーバイスが上場するにあたって、おそらく最も気になるのがデニム業界のビジネス成長だろう。
しかし、デニム業界が拡大する、というのはあまり期待できそうにない。デニムの最盛期は、81年だった。カジュアルパンツの市場で、79年に46%のシェアだったデニムは、81年に61%を占めるまでになったが、84年になると59%に減少してしまった。
同様に、97年に70億ドルだったリーバイスの売り上げも、02年には41億ドルにまで落ち込み、以降10年まで45億ドルを超えることはなかった。
11年に元P&G幹部だったチップ・バーグ氏がCEOに就任してからは、徐々に売り上げを持ち直し、17年に49億ドル、18年には56億ドルに回復した。それでも、全盛期の70億ドルにはまだまだ及ばない額だ。
そして現在のトレンドは、デニムよりも、アスリージャー(athleticとleisureを掛けた造語)と呼ばれる、スポーツウェアと普段着を兼ねたファッションだ。つまり、ヨガパンツやジムウエアなどを普段着のように着こなす人が増えてるのだ。
ひと昔前なら、カジュアルな服装と言えばデニムが定番だったが、もはやデニムの時代は、終わりを迎えたのだろうか――。もちろんそれを断言するのは難しいが、仮にデニムが復活したとしても、従来のような定番商品だけでは長期のビジネス成長は見込めないだろう。
ファッションのトレンドは、頻繁に移り変わっていく。そのトレンドに素早く臨機応変に対応しなければ、勝ち残るのは難しい。
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