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ホンダの本社ビルに秘められた“本田宗一郎伝説”の謎を追う:どんな設計思想なのか(4/5 ページ)
ホンダの創業者である本田宗一郎氏は本社ビルの設計に関与していた。どのような願いを込めてどんなデザインにしていたのか。社内に伝わる“本田宗一郎伝説”の謎を追う。
ビルが敷地内の奥に引っ込んでいる理由
本社ビルは交差点から見るとやや奥に引っ込んだ場所に建っている。歩道と本社ビルの間には何もない空白エリアがあり、日中は同社の最新モデルの車が展示されている。この空白エリアは何のためにあるのか? 交差点を右折したり左折したりする自動車の視界を確保するためだ。本田宗一郎氏は自動車ユーザーに配慮してビルの位置を決めたようだ。担当者は「当時でも現在でも、こういった発想はとても珍しい」と語る。
以上が今回の取材で確認できた内容だ。ここまでビルの設計に口を出せたのは、カリスマ創業者だったからだろう。本田宗一郎氏は、経営の一線を退いてからも、ドライバーや一般市民を思いやる気持ちを持ち続けていたのだ。
なお、今回の記事で紹介したこと以外にも「オヤジ(本田宗一郎氏のホンダ社内における愛称)の考えが反映されているのでは?」と語り継がれている“伝説”が存在するようだ。もし、当時のことを詳しく証言してくれる元社員が見つかったのなら、続報を検討できればと思う。
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