時間や場所を選ばずに働ける「テレワーク」が、働き方改革に向けた取り組みの1つとして注目を集めている。しかし、実際にテレワークで働いたことのある人は1割にも満たない――。エン・ジャパンの調査でこんな事実が分かった。
「テレワーク制度を使って働いたことがある」と答えた人はわずか3%。1万人以上の調査対象者のうち、約300人にとどまった。「これまで働いたことがある会社にテレワーク制度があった」と回答した人も8%と1割を切っており、テレワーク推進の機運とは裏腹に、制度が追い付いていない現状が明らかになった。
一方、経験者からはテレワークに好意的な意見も多い。テレワークで働いたことのある人のうち、「テレワークの働き方に満足している」と答えた人は72%。今後もテレワークで働きたいかについても、「働きたい」が72%と「働きたくない」(13%)を大きく上回った。
経験者がテレワークを希望する理由として最も多かったのは、「通勤ストレスがなくなるから」(71%)だった。次いで多いのは「業務に集中できて生産性が上がるから」(45%)で、その後、「人間関係のストレスがなくなるから」(33%)、「家事・出産・子育ての時間を確保できるから」(28%)、「業務上、外出が多く効率的に働けるから」(25%)と続いた。
回答者からは「会社にいると不必要な事務業務などが頻繁に発生して業務効率が下がる」「苦手な上司や同僚に会わなくて済むので、心穏やかに働ける」といった意見も出ている。
調査は3月27日から4月23日にかけて、転職サービス「エン転職」を利用する1万207人を対象に、インターネット上で実施した。
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