「ANAの巨大旅客機投入」でハワイに若者を呼び込めるか:JALの牙城だった「憧れのリゾート地」(4/4 ページ)
ANAが一度に520人を運べる大型機「エアバスA380」を5月24日からハワイ路線に就航させるため、日本人観光客が増えることが予想される――。
日本人投資家も注目
ハワイは最近、日本人投資家の間でも、マンションやコンドミニアムなど不動産の投資先として注目されている。現在、もっとも注目されている開発案件は、観光客に馴染(なじ)みのあるアラモアナ・ショッピングセンターの西側にハワードヒューズコーポレーションが13年から販売を開始した高級マンションなどで構成される「ワードビレッジ」だ。今後10数年かけて完成させる計画で、広さは7万3000坪、東京ドーム5.2個分の広さがある。
これに刺激されて、最近は同ショッピングセンターの北側でも開発が進んでおり、高級マンションが建設されているという。こうした物件に対して、日本の上場企業のオーナーなどが関心を示しているようで、1億円前後の物件が売れ筋になっているという。現地の日系不動産会社は「日本の国内不動産の先行きが不透明な中で、海外の不動産に目を向ける富裕層が増えており、ハワイはその中の有力な投資先になってきている」と話す。彼らが投資するのは居住用と投資用と2種類あるが、余裕資産を効率的に運用する中でハワイに目が向いている。
こうした不動産売買が増えれば、ハワイ路線の乗客数、しかもビジネスクラスなど高い運賃が見込める乗客も増えることが予想され、航空会社にとっても好ましい。
ANAの大型機就航でハワイ路線「夏の陣」の火ぶたが切られた。両社とも現段階では予約は順調に入っているとしているが、米中貿易戦争の行方など経済情勢は油断できない。場合によっては世界的に経済情勢が悪化し景気が落ち込むことも予想される。期待が先行しているハワイ路線が見込んだだけの観光客を集められるかどうか目が離せない。
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