「戦力外通告」の末路――元千葉ロッテ・荻野忠寛のライフ・シフト:“クビ”の先に見えた光景(5/5 ページ)
かつて千葉ロッテマリーンズの中継ぎ・リリーフエースとして活躍した荻野忠寛――。戦力外通告を受けた後にどんなキャリアを築いてきたのか?
華麗なシフトチェンジへの期待
荻野は、『スポーツセンシング』の理論を使えば、スポーツが上達することはもちろん、スポーツを通じて勉強や仕事のセンスを鍛えることができるという。
「僕はスポーツ界で度々話題になるセカンドキャリア問題というのは、無くせると思っています。ひと昔前は、忍耐力があるとか、言われた事を従順にやり続けられるという理由から、スポーツをやっていた人が高く評価されていました。そのような能力を社会が求めていたんです。でもいまは、社会がそのような能力を求めていません。だからこそ、スポーツ界全体がシフトしないといけない時期にきています。スポーツを通じて、どの世界でも生きていける能力を身につけるノウハウを提供できれば、スポーツ界のセカンドキャリア問題は一気に解決するし、ささやかれているスポーツ競技人口の低下も一気に解決できます」
目を輝かせながら夢を語る荻野の表情は、まるでお立ち台の上でヒーローインタビューに答えていた若き日の表情のように明るい。荻野はいま、『スポーツセンシング』を広めるという新たな使命を胸に、自らの人生をシフトし始めた。荻野のように、戦力外通告というネガティブな響きに惑わされることなく、ポジティブに前を向いたものには、新しい人生へシフトするきっかけが与えられるのかもしれない。
著者プロフィール
瀬川泰祐(せがわ たいすけ)
1973年生まれ。北海道出身。エンタメ業界やWeb業界での経験を生かし2016年より、サッカー・フットサルやフェンシングなど、スポーツ競技団体の協会・リーグビジネスを中心に、取材・ライティング活動を始め、現在は、東洋経済オンラインやOCEANS、キングギアなど複数の媒体で執筆中。モットーは、「スポーツでつながる縁を大切に」。Webサイトはこちらから。
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