存在感増すコンビニのチルド弁当 定温弁当に残された強みとは?:チルドのメリットに注目集まる(2/3 ページ)
大手コンビニチェーンでチルド弁当の存在感が増している。味や彩りがよくなるだけでなく、廃棄ロスが少なくなる点も注目されている。定温弁当に残された強みとは?
添加物が少なくて長持ちする
定温弁当と比べて、チルド弁当は圧倒的に長持ちする。あくまで一例だが、定温弁当の販売時間が約15時間なのに対し、チルド弁当は約72時間。売り場に長い時間置けるので、廃棄率も定温弁当と比べて低いという。これは、コンビニの加盟店にとってはありがたい話だ。
チルド弁当は製造時点から低温で管理されているので、使用する添加物が少なくて済む。定温弁当と比べ、添加物を40%減らせるものもあるという。チルド弁当は買い置きが可能なので、自分の好きなタイミングで電子レンジで加熱して食べられる。
彩りのよい野菜、生サーモン、とろろといった食材を使えるのも大きなメリットだ。ファミマが5月以降に投入する予定のチルド弁当には、「彩り野菜のタコライス」「サーモンアボカド丼」といった見た目が華やかなものがある。
定温弁当のメリットとは?
このように、チルド弁当はいいことづくめのように見えるが、定温弁当にもメリットはある。まず、必ずしもレンジであたためる必要がないので、即食性に優れている。また、チルド弁当は定温弁当と比べてごはんが劣化する度合いが大きい。ごはんの食味としては、粒感や甘みの点で定温弁当のほうに優位性があると担当者は説明する。さらに、調理や盛り付けでボリューム感を出すこともできるので、おかずとごはんをがっつり食べたいお客には定温弁当のほうが向いているといえる。
調理技術や輸送方法が進化することで、ますますチルド弁当の存在感は増すことが予想されるが、定温弁当が完全に駆逐されることはしばらくなさそうだ。
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