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赤字のUber GMやフォードを超える時価総額の根拠は「自動運転」:令和時代に稼ぐ企業はここが違う(2/4 ページ)
5月にIPOしたUber。将来への高い期待を反映し、時価総額はGMやFordを超える700億ドルに達しています。しかし現在は赤字で、今後もしばらくは赤字の見通し。Uberの事業構造を読み解くと、どうなったらこの時価総額が正当化されるのかが見えてきます。キーワードは「自動運転」です。
巨額赤字。当面は黒字化の見通しなし
さらに、驚くべきことはUberがまだ赤字ということです。Apple、Facebook、Google(現Alphabet)、Cisco Systemsなど現在のハイテク業界をけん引する企業は、いずれもIPO時点ですでに黒字を達成していました。しかし、Uberは現在赤字な上に、当面は黒字化の見通しはありません。
以下は大手自動車メーカー3社(トヨタ自動車、GM、Ford Moters)とUberのFY18の営業利益です。
この通りUberは営業赤字です。しかし、投資家は赤字企業のUberに700億ドルというGMやFordを超える価値を付与しました。なぜ投資家は赤字企業のUberにこれほどの価値を認めているのでしょうか?
それを明らかにするために、UberのIPO目論見書から同社の決算情報を洗ってみましょう。以下はUberのFY14〜FY18の売上高と営業利益推移です(FY14とFY15は未監査データ)。
売上高は年々成長していますが、利益は赤字が続いています。過去5年で一度も黒字を経験していません。
では、何がこの赤字をもたらしているのでしょうか?
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