「スパイスの融合体」という新境地 ロイヤルホストが37年目のカレーフェアで到達:新しいチャレンジの内容は?(1/2 ページ)
37年目を迎えるロイヤルホストの夏のカレーフェア。今回のコンセプトは「スパイスの融合体」だという。記者発表会で実際に食べてみた。
ロイヤルホストは37年目を迎える夏のカレーフェア「37年目 夏のカレー&スパイスグリル」を7月3日から全国の店舗で開催する(一部店舗除く)。商品企画部の岡野孝志部長はコンセプトを「スパイスの融合体」と表現した。どのようなものなのか。
スパイスの存在感が大きい
カレーフェアで提供するのは「スパイスステーキ(100g)&海老のスパイシーグリル」(1880円、税別、以下同)や、「海老・イカ・ムール貝のシーフードカレー〜ジンジャーターメリックライス&クミン香るパン〜」(1780円)など5種類。
これらの大きな特徴は、スパイスの存在感を前面に打ち出していることだ。例えば、「スパイスステーキ」はアンガスサーロインステーキの上に「食べるスパイス」を大量にまぶしている。これは、フライドオニオンやアーモンドにミックススパイス(クミン、コリアンダー、カレー粉、ガーリック、赤唐辛子、トマトなど)をブレンドしたものだ。記者発表会で実際に食べてみたが、見た目ほどからさは感じなかった。むしろ、スパイスの風味が強く口の中に広がったのが印象的だった。
シーフードカレーは、チリ、パプリカ、コリアンダーなどのスパイスと、魚介のブイヨン、トマト、ココナッツミルク、ヨーグルトなどをブレンドした商品だ。このカレーもスパイスの香りが強調されている。また、シーフードカレーと一緒に提供されるパンには、クミンシード入りのバターを塗っている。
このように、カレーのルーだけでなく、ステーキやピラフなどにもスパイスをふんだんに使用しているのが特徴だ。岡野部長は「SPICE CROSSING(スパイスクロッシング)」がサブテーマだと解説する。「夏にカレーを食べる」という習慣は広く浸透してきたが、近年は「夏にからいものや肉をがっつり食べる」というトレンドが強まっているという。そこで、ロイヤルホストは夏のフェアでスパイスの存在感が強い商品やステーキを投入した側面もある。
今回のカレーフェアの特徴は他にもある。例えば、「タンドリー風チキンピラフ〜バター&カシューナッツトマトカレー〜」(1580円)や、「ギャザリング・プラッター〜夏のグリル盛り合わせプレート〜」(2780円)では、カレーはあくまでプレートの上に盛られた料理の1つという位置付けになっている。これは、「量はそこまで多くなくていいけど、カレーもちょっと試してみたい」という顧客の要望に応える狙いがある。
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