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見知らぬ客同士に会話させたら店員の評価UP!? 立ち飲みチェーンの狙いとは:ユニークな人事評価制度の全容とは(2/6 ページ)
名古屋発の立ち飲みチェーンがユニークな人事評価制度を導入している。見知らぬ客同士に会話を成立させたら評価がアップする。どういった狙いがあるのか。
盛り上がる店内イベント
「カンパーイ!」
「誕生日おめでとうー」
「ハッピーバースデートゥーユー」
これは、焼きとん大黒のとある店舗で開催された、店員の誕生日を祝うイベントの一幕だ。店員があらかじめ客に声をかけて回ってから、店内の照明を消す。カウンターの内側にいる店員はバースデーケーキを受け取って、ローソクの火を吹き消す。すると、周りにいる客はジョッキを掲げてお祝いの声をかける。誕生日に限らず、アルバイト店員が就職をきっかけに店をやめる“卒業祝い”や、転勤祝いなどのイベントも開催されているという。同社ではこれを「セレモニー」と呼んでいる。
実際、焼きとん大黒各店舗の公式インスタグラムには、こうしたセレモニーの様子が投稿されている。同店のメインターゲットは40〜50代だ。20代の店員は、“自分の息子”“自分の娘”のように感じられるので、成長を見守るような気持ちで接しているようだ。
こういったイベントの告知は、店内に紙を貼りだすだけでなく、SNSなどで行う。セレモニーのことを知った客が、久しぶりに来店するという効果も見込める。焼きとん大黒蒲田店(東京都大田区)店長の斎藤實也氏は「こういったイベントはむりやり祝っていただくというものではありません。店員とお客さまの日々のやりとりの中で、『じゃあ、お祝いしようか』というように自然と決まることが多いです」と説明する。
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