餃子の王将が“立ち食いのみ”の新業態店をオープン 狙いを社長に聞く:まるで立ち食いそば屋さん(1/3 ページ)
餃子の王将が立ち食いそば屋のような新業態店をオープンした。店内に椅子はなく、全席立ち食いスタイルとなっている。開発した狙いを渡邊直人社長に聞いた。
「餃子の王将」を運営する王将フードサービスは、新業態店となる「餃子の王将 Express アトレ秋葉原店」(東京都千代田区)をオープンした。店舗面積はわずか14.1坪で、一度に20人弱しか入店できない。しかも、店舗内に椅子はなく、全席立ち食いスタイルとなっている。同社にとっては「初めて」づくしの店舗だ。どのような狙いで立ち食いそば屋のような店舗を開発したのだろうか。
アトレ秋葉原店はJR秋葉原駅に直結した場所にある。これは、「電車に乗るまでの少ない時間でパパっと食べたい」「待ち合わせの時間までちょっと小腹を満たしたい」といったニーズに対応できるようにするためだ。
お客が注文してからスピーディーに料理を提供できる体制も整えている。フードのメニュー数は10程度と、従来の店舗よりかなり絞っている。同店で提供するのはギョーザ、かき揚げ丼、ラーメン、から揚げなどで、中華鍋を使って調理をするチリソースやニラレバ炒めといった商品は省いている。また、ラーメンの麺のゆで時間を短縮できるように極細麺を使っている。極細麺はスープとよく絡み、おいしさを引き立てる効果もあるという。
営業時間が6時〜25時と長めになっているのも理由がある。これは、朝からラーメンを食べる「朝ラー」、ランチ、飲み会の帰りに食べる締めのラーメンといったように、顧客のさまざまなライフスタイルにあわせて利用してもらうためだ。
オープン日に店舗に行ってみた。コの字型のカウンターがキッチンを取り囲んでいる。客の目の前でギョーザを焼いたり、ラーメンをゆでたりするので、“ライブ感”がある。店内は明るくおしゃれなデザインになっているので、女性でも気軽に入店できるように感じた。
店舗限定メニューを用意
餃子の王将はこの店舗だけでしか食べられないオリジナルメニューを開発した。
「かき揚げラーメン」(680円、税抜、以下同)はラーメンとかき揚げを同時に味わうものだ。かき揚げには、大きめにカットしたチャーシュー、玉ねぎ、にんじん、しいたけ、きくらげ、国産メンマが入っている。スープはしょうゆ、白しょうゆ、しょうゆとんこつの3つから選べる。実際に食べてみたが、かき揚げがとてもボリューミーで、大きな存在感があった。広報担当者は「インスタ映えを狙っています」と解説する。
「餃子の王将 ひとくち餃子」(180円)は、食べやすいひとくちサイズになっているのが特徴。従来のギョーザと比べ、皮のパリパリ感が強い。「餃子ラーメン」(580円)は、ラーメンにギョーザをトッピングしたものだ。ギョーザとラーメンを合体させたメニューを出すのは初めてだという。
このほかにも、フードメニューには「かき揚げ丼」(680円)や「中華炊き込みご飯」(250円)などがある。ちょい飲み需要に対応するため、生ビール、ハイボール、レモンサワーなどのアルコールも提供する。
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