2015年7月27日以前の記事
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「複々線」にできない混雑路線は、乗客をどうやってさばくのか理想はあるけど(3/4 ページ)

混雑を緩和させるために、首都圏の鉄道会社はさまざまな取り組みを行っている。そのひとつに「複々線化」がある。その一方で、複々線化を実現できない混雑路線もある。そうしたところは、多くの乗客をどうやってさばいているのか。

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京王電鉄の高架化・2面4線化

 京王電鉄では、笹塚〜仙川間で連続立体交差事業を行っている。この事業が完成した際には、この区間が高架化されるだけではなく、明大前・千歳烏山で2面4線化となり、相互発着や追い抜きができるようになる。現在、この区間で相互発着と追い抜きができるのは桜上水だけであり、八幡山では追い抜きしかできない。

 ちなみに相互発着とは、同一路線で運行されている列車を異なるホームに停車させることであり、ホームを交互に使うことで乗客の乗降を行いやすくし、列車の間隔を詰めることができるようになる。

 明大前や千歳烏山は利用客の多い駅であり、特に明大前は朝ラッシュ時に井の頭線との乗り換えのため、多くの人が駅にあふれる。そのために次の列車が駅手前で待っている状況だ。

 これで相互発着ができるようになると、多くの人を明大前で乗降させることができ、ダイヤが過密な調布〜新宿間の到達時間も短くすることができる。

 なお、京王電鉄では連続立体交差事業のあとで地下を利用して複々線化を行う計画もあるが、遠い将来の話となるだろう。

 話はややそれてしまったが、相互発着はJR東日本中央線でも行われている。中央線の三鷹〜立川間には複々線化の計画があったものの実現しなかった。高架化の際に武蔵小金井は2面4線に、東小金井も2面3線、国立も2面3線にし、これまで上り下りとも相互発着・追い抜きが可能だった三鷹・国分寺・立川に加え多くの駅で下りの相互発着が可能になり、朝ラッシュ時の混雑に対応している。もちろん、新宿での相互発着では多くの利用者をさばいている。

 こういった工夫を、鉄道各社は行っているのだ。

 しかし混雑が厳しく、複々線化が困難な地下鉄はどうするのか、という声も聞こえてくる。もちろん、東京メトロはその状況に取り組んでいる。


(写真提供:ゲッティイメージズ)

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