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Mazda3国内仕様試乗で判明した「ちょっと待った!」池田直渡「週刊モータージャーナル」(5/5 ページ)

マツダ3の国内仕様車に乗って、まさか期待を裏切られるとは露程も思っていなかった。変速ショックそのものを消そうとした結果、第7世代思想に遅れを取っている。SKYACTIV-D 1.8のアクセルも意図以上に加速を始めてしまう。それは全く人間中心ではない。この評価が変わるかどうかは、全てはSKYACTIV-X次第だ。

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結局Mazda3をどう評価するか?

 さて、そうなると本当にもう頼みの綱はSKYACTIV-Xだ。Mazda3は名車の素養を強く持っていると思うが、今のところ、クルマ全体が持つ稀有(けう)なポテンシャルに本当にふさわしいパワートレーンはラインアップにない。だったらいっそ218万円で買える1.5リッターの15Sをチョイスして、あのシャシーとシートとハンドリングをバーゲンプライスで手に入れるのもひとつの手かもしれない。

 レーダークルーズコントロールもヘッドアップディスプレイも全車標準だし、標準オーディオとしてはびっくりするほどの音質のオーディオもそのまま付いてくる。安全装備もほぼ共通、道路標識表示とアダプティブヘッドライトと前側方接近車両検知くらいしか差がない。

 本当に必要なものには装備差を付けないという意味で、マツダが極めて良心的であるともいえるかもしれないが、エンジン以外に高いグレードを買うご利益はほとんどない。駄目押しに、高いレザーシートより安いファブリックシートの方が明らかにいい。第7世代肝いりのシートの良さはこちらの方がより味わえる。

 ということで、Mazda3が総合的に素晴らしいという評価は変えないが、国内仕様の2.0ガソリンは凡庸だし、1.8ディーゼルは推奨できないという結論である。この評価が変わるかどうかは、全てはSKYACTIV-X次第ということになる。

筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)

 1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。

 以後、編集プロダクション、グラニテを設立し、クルマのメカニズムと開発思想や社会情勢の結びつきに着目して執筆活動を行う。


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