変化の時代のお荷物、「上下関係にこだわる人」を見分ける方法:「序列へのプライド」を捨てられない人に要注意(4/4 ページ)
「俺のところに会議の出席案内きてないけど?」「何で部長に言う前に、俺のところに持ってこないの?」「これ、席順が間違ってるだろ」――。そんな「序列へのプライド」を捨てきれない旧人類を見分ける方法とは?
成長する人と停滞する人のマインドセットはどう違う?
10年ほど前に流行った「マインドセット」という、スタンフォード大学の心理学教授、キャロル・ドゥエックによる考え方だ。
彼女は、人間のマインドセットを大きく2つに分類した。1つは、自分の能力は石版に刻まれたように固定的で変わらないと信じている「硬直マインドセット」の人。硬直マインドセットの人物は、教室でも、職場でも、人づきあいの場でも、自分の有能さを示すことばかりに心を奪われている。ことあるごとに自分の知的能力や人間的資質を確認せずにはいられない人たちだ。
そしてもう1つは、持って生まれた才能、適性、興味、気質はひとり一人異なるが、努力と経験を重ねることで、誰でもみな大きく伸びていける――という信念を持つ「しなやかマインドセット」の人である。
しなやかマインドセットの人物は、自分をダメと決めつけてさじを投げたりしない。苦境に追い込まれても、失敗をおそれずに試練に立ち向かい、こつこつと努力を積み重ねていく。現時点での自分の能力についての情報を、不本意であってもありのままに受け入れ、「学び」に重点を置き、文句をいうのではなく、自分を向上させることに時間を使う。
もちろん長期的には「硬直的マインドセット」の人が「しなやか」に変わることもあるだろう。
人間の能力は、決して固定的ではない(参考:全員がクリエイティブな仕事をすることが可能か、と言われれば、おそらく可能である)。
だが、現時点で「上下関係にこだわる人を、絶対に入れたくない」というならば、「マインドセット」に着目するのも一つの手だ。
そんな話を、冒頭の記事を見て、ふと思い出した。
安達裕哉プロフィール
1975年東京都生まれ。Deloitteにて12年間コンサルティングに従事。大企業、中小企業あわせて1000社以上に訪問し、8000人以上のビジネスパーソンとともに仕事をする。仕事、マネジメントに関するメディア「Books&Apps」を運営する一方で、企業の現場でコンサルティング活動を行う。Twitterアカウントはこちら。
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