まるで空港のラウンジ? ららぽーとの従業員休憩室が豪華になっていた:専用コンビニも併設(1/2 ページ)
三井不動産が商業施設の従業員休憩室を充実させている。簡素な設備しか備えていない休憩室とは一線を画している。どのような機能を備えているのか。
仮眠もできるゆったりとしたソファ、フリーWi-Fi、専用のコンビニ、楽屋のようなパウダーコーナー――ここ3年で、三井不動産は商業施設「ららぽーと」の従業員休憩室をどんどん豪華にしている。背景には何があるのか。
三井不動産は、10月4日に「三井ショッピングパーク ららぽーと沼津」(静岡県沼津市)をオープンする。この施設には、全国の人気店や地元の名店など全214店が出店する予定だ。三井不動産はららぽーと沼津で働く従業員を3000〜4000人程度と想定している(この人数は登録者数であり、全員が一斉に働くわけではない)。
従業員休憩室には、間仕切りのあるカウンター席、仮眠がとりやすいソファエリア、携帯電話充電用コンセント、フリーWi-Fi、歯磨き用洗面台、パウダーコーナー、喫煙室が備え付けられている。また、専用のコンビニも併設されている。従業員の利便性を向上させるために機能面を充実させる一方、デザインも凝ったものにする予定だ。
三井不動産が従業員室を拡充させるようになったのは、施設で働く人の満足度を向上させるためだ。過去に従業員向けに実施したアンケートで「休憩室を充実させてほしい」という回答が寄せられたことなどがきっかけとなり、16年に開業した「三井ショッピングパーク ららぽーと湘南平塚」から強化するようになったという。また、新規物件だけでなく、既存物件でも休憩室の改善を進めている。
過去につくられた従業員休憩室を見ると、全体的におしゃれなデザインとなっている。また、仕切られた机の1つ1つに携帯電話の充電用コンセントが付いており、周囲に気兼ねなく利用できるようにもなっている。
筆者は何度か大型商業施設や百貨店のバックヤードに入ったことがあるが、ピカピカの店内とは違って、通路は全体的に薄暗く、壁のペンキがはげかけているといったことも珍しくない。従業員休憩室に置かれている家具もパイプ椅子のような簡易的なものだらけというケースもあった。
ららぽーとのような休憩室がスタンダードになると、従業員を採用・定着させるためのコストがますます増大していきそうだ。
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